用語辞典
アニメ用語やネットスラングなど、現代日本の表現を集めた用語辞典。オタク文化や日常で使われる言葉を解説します。
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異世界
Isekai(いせかい)
異世界(いせかい)は、文字どおり今いる現実とは別の世界のこと。アニメやライトノベルでは、現実世界の住人がファンタジー世界へ送り込まれ、そこで生きていく物語のジャンルを指すことが多い。 舞台になるのは、中世ヨーロッパ風で剣と魔法が当たり前の世界が定番。レベルやスキル、自分の力が数値で見えるステータス画面など、ロールプレイングゲームのお約束を備えた世界も多く、主人公は冒険者として腕を上げたり、魔王の討伐に巻き込まれたりする。ゲームの中の世界や並行世界が舞台になることもあり、ファンタジーは典型ではあるが必須ではない。 海外でもこのジャンルは Isekai の名でそのまま通じる。2024年にはオックスフォード英語辞典にも収録され、日本のアニメ・ラノベを代表するジャンルのひとつになっている。
オキニ
Okini(おきに)
「オキニ/お気に」は「お気に入り」の略で、自分あるいは誰かが特に好んで贔屓している物や方法、人物を指す。英語では「Fav(Favorite)」が該当する。 オキニは様々なシチュエーションや会話で使うことができる。 英文で使う場合は「This is my Okini (fashion).」「You are her Okini (person).」といった使い方が日本人の感覚としては自然。 アイドルやバンドのファン界隈でも使われる 日本のアイドルやバンドファンの間では、演者から気に入られているファンのことを「オキニ」と呼ぶ(演者にとっての「オキニ」ということになる)。マナーが良い、顔が好み、気が合う、いつも来てくれる等、理由は様々で必ずしも恋愛感情が絡むとは限らない。 オキニか否かの判断基準も、あくまでファン側の推察であることがほとんど。
推し
Oshi(おし)
推し(おし)は、自分がもっとも応援している人物やキャラクターのこと。アイドルグループの特定のメンバー、アニメや漫画のキャラクター、俳優、声優、スポーツ選手など、対象に制限はない。 動詞「推す(おす)」の連用形が名詞になった言葉で、「人に薦めたいほど好き」というニュアンスを含む。ただの「好き」より一歩踏み込んだ感情を表し、その対象の魅力を周囲にも広めたい、応援して支えたいという気持ちが込められている。 もともとはアイドルファンの間で使われていた用語だが、現在は日常会話にも浸透している。食べ物や場所、ブランドなど人物以外に対して使うことも多く、「推しのカフェ」「推しの色」のような表現も一般的になった。
オタク
Otaku(おたく)
オタク(Otaku)は、アニメや漫画など日本のポップカルチャーに強い情熱を持つファンを指す言葉。英語圏ではこの意味で定着しており、好きなジャンルに深い知識を持つ人をポジティブに表す呼び方として広く使われている。 英語の「geek」や「nerd」に近い文脈で使われることもあるが、otakuには日本のアニメ・漫画文化と結びついた独自のニュアンスがある。海外のファンコミュニティでは、誇りを込めて自称する人も少なくない。 日本国内での意味 日本語の「オタク」は、特定の分野に深い愛着と知識を持ち、並外れた熱量で没頭する人のこと。対象はアニメや漫画に限らない。アイドル、鉄道、歴史、ゲーム、コスプレなど幅広いジャンルに使われ、「アニメオタク」「鉄道オタク」「アイドルオタク」のようにジャンル名と組み合わせるのが一般的。かつてはネガティブな響きもあったが、現在はポジティブな自称としても広く使われている。
コミケ
Comiket(こみけ)
コミケは、同人誌即売会「コミックマーケット」の通称である。同人誌とは、ファンや個人が自主制作した本を指す。東京・有明の東京ビッグサイトを会場に、夏の8月中旬と冬の12月末の年2回開かれる。主催者は、これを日本最大の同人誌即売会と称している。 直近の開催は、2日間の会期でのべ25万〜30万人を集める規模になっている。2025年夏のC106がのべ25万人で、同年冬のC107はのべ30万人。C106には、海外71の国と地域からの参加者も加わった。 会場の中心にあるのは、個人やサークルといったつくり手による同人誌の頒布である。アニメやゲーム関連の企業ブースが並び、仮装したコスプレイヤーは指定の区画に集まる。開場前には、建物の外まで待機列が伸びる。
カップリング
Coupling(かっぷりんぐ)
カップリングとは、同人やファンの文化でキャラクター同士の恋愛関係の組み合わせを指す語。海外における「Shipping」の意味とほぼ同じである。 男性同士の恋愛を描くBLにも、女性同士の恋愛を描く百合にも使う。男女の組み合わせも同様。略すときはカプ、または CP と書く。CP のほうは、中国語圏をはじめ東アジアのファンの間でも共通して使われている。 推しカプは、自分が好きで応援しているカップリングのこと。SNSでは「〇〇と〇〇が推しカプです」のように使う。 原作で恋仲として描かれる組み合わせは、公式カップリングと呼ぶ。カップリングという語そのものは、非公式の解釈だけを指すわけではない。ただしファン活動の中心にあるのは、原作にない組み合わせを想像したり解釈したりする楽しみ方。 派生の呼び方もある。同じキャラクター同士を掛け合わせた組み合わせは二乗と呼ぶ。恋愛ではない友情や相棒の関係はコンビと呼び、恋愛の A×B と区別して A+B や A&B と書く。
ガチ恋
Gachikoi(がちこい)
ガチ恋とは、アイドル・タレント・VTuber・ライブ配信者などに本気で恋愛感情を抱くこと。またはそうした感情を持つファンを指す言葉である。推しを応援する気持ちが高じて、画面やステージの向こうにいる相手と付き合いたいと思うところまで至った状態を指す。ガチは「本気で」の意で、文字どおり本気の恋を意味する。 同じファン活動でも、推し活とガチ恋では感情の向きが違う。推す行為は応援や布教が中心で、良さを他のファンと分かち合えるのが前提になっている。一方ガチ恋は恋愛感情なので、独占欲や嫉妬を伴いやすい。同じ相手を推す他のファンを受け入れられない同担拒否につながることもある。 SNSやオタク同士の会話では、自嘲や興奮まじりに「完全にガチ恋」と状態を語る形で使われることが多い。行き過ぎると過剰な課金に向かうこともあり、ファン本人が半ば自覚しながら使う言葉でもある。
海外ニキ
Kaigai Niki(かいがいにき)
「海外の兄貴(アニキ)」を略したネットスラングで、日本のネット上で外国人ユーザーを親しみを込めて呼ぶ表現。 主にニコニコ動画やYouTube配信、SNSなどで外国人男性に対して使われる。複数人をひっくるめて呼ぶ際など、性別を問わず用いられる。女性を特定して呼ぶ場合は「海外ネキ」が使われる。
帰国子女
Kikokushijo(きこくしじょ)
帰国子女とは、親の海外赴任などに伴い海外で生活した後、日本に帰国した子どものこと。 「帰国」は母国に帰ること、「子女」は「子(息子)」と「女(娘)」の総称で、男女を問わない。「女」の字から女性限定と誤解されやすいが、男子にも使われる。現在、文部科学省は「帰国児童生徒」の呼称を用い、海外に1年を超えて在留した後に帰国した児童生徒と定義している。 英語ではreturneeが近い概念にあたり、異文化環境で育った子どもという意味でthird culture kid(TCK)とも重なる。アニメやマンガでは定番のキャラクター属性としても広く知られている。
草
Kusa(くさ)
日本のインターネットスラングで「笑い」を意味する表現。英語圏における「lol」に近い感覚で、面白い・笑えるという反応を示す際に用いられる。文末に単体で置く「草」のほか、「草生える」「草生えた」といった動詞形でも使われる。 草はそのまま英語に翻訳するとGrassとなるが、由来を知らなければ全くもって意味不明である。
クソゲー
Kusoge(くそげー)
クソゲーとは、品質が低く、遊んでもおもしろくないゲームを酷評する俗語。クソのようなゲームを縮めた言い方で、糞ゲーとも書く。そう評された作品そのものを指すこともある。 ただ単に貶すだけではなく、失敗作を面白がって愛でる使い方が定着している。しかし、決して良い意味ではないので、ゲームの製作者やそのゲームのファンに対して安易に使うべきではない。 日本の動画共有サイトのニコニコ動画やYouTubeには、クソゲーを遊びながら実況する投稿動画や配信が数多くを占める。自分で遊んでいるとイライラしてしまうゲームでも、第三者が実況したり誰かと共有することで面白いコンテンツになる。 本項で挙げる、いわゆるクソゲーの例も、数多くの人々に愛される”ツッコミどころ”の多いゲームである。
Japaniki
Japaniki(じゃぱにき)
"Japan"と「ニキ(兄貴)」を組み合わせた造語で、英語圏のXユーザーが日本人ユーザーを親しみを込めて呼ぶスラング。日本語の「海外ニキ」の逆輸入的な表現にあたる。 女性に対しては「Japaneki」(Japan+ネキ)が使われることもある。
聖地巡礼
Seichi Junrei(せいちじゅんれい)
オタク用語の文脈では、アニメ・マンガ・ゲームなどの作品に登場する舞台やモデルとなった実在の場所をファンが訪れる行為を指す言葉。要は「オタクにとっての”聖地”を訪れる」という意味合いを持つ。 一般に「舞台探訪」とも呼ばれるが、ファンのあいだでは「聖地巡礼」という呼び名のほうが広く浸透している。 近年ではアニメやマンガに限らず、ドラマや映画のロケ地、アイドルやバンドにゆかりのある場所を訪れる行為にも「聖地巡礼」という言葉が用いられるようになっている。
好きピ
Sukipi(すきぴ)
好きピ(すきぴ)は、好きな人を指す若者言葉。基本的には恋人や片思いしている相手のことを指す。 呼び名として相手に直接言うことは少なく、友人同士の会話やSNSの投稿で恋愛対象の話を持ち出すときに使うことが多い。必ずしも恋愛対象の相手に限るわけではなく仲の良い友人、推しの芸能人やアイドル、アニメキャラクターなど幅広い相手に使える。 もともとは人に対して使う言葉だが、「ぴ」の響きの可愛さから、食べ物や場所など人以外のものにも使われるようになった。「このお菓子すきぴ」のように、単に「好き」を可愛く言い換えた表現としても使われている。 主に10代の女性を中心にSNSやLINEで広まり、男性が使うことは少ない。女性特有の可愛らしい表現として定着している。
厨二病
Chunibyo(ちゅうにびょう)
厨二病(ちゅうにびょう)は、中学2年生前後の思春期にありがちな、自意識過剰で痛々しい言動を揶揄するネットスラング。「病」と付くが医学用語ではなく、思春期特有の背伸びを「発症する」「かかる」のように病気になぞらえた表現。 もっとも広く知られているのは、自分に超常的な力が封印されている、秘密の組織に狙われているといった壮大な妄想を抱くタイプ。ただし本来の意味はもっと広く、大人ぶった背伸びや、メジャーなものを見下すサブカル志向、不良を気取る態度なども含まれる。自嘲にも他人へのツッコミにも使われ、年齢は問わない。 アニメやライトノベルでは厨二病キャラがひとつのジャンルとして定着しており、海外のアニメファンにも広く認知されている。
同人
Doujin(どうじん)
同人とは、同じ趣味や志を持つ仲間、またその集まりを指す言葉。オタク文化では、営利を目的とせず、個人や仲間うちで作品を作って発表する活動全般を指すことが多い。 代表格は同人誌だが、同人ゲームや同人音楽など形態は幅広い。出版社やメーカーといった企業を介さず、作り手が自分の裁量で作って世に出す。この自主制作という性格がすべてに共通している。 商業作品との違いは動機の順番にある。利益や流行のためではなく、作りたいから作る。ニッチな題材や実験的な表現が同人から生まれやすいのは、売れ行きに縛られないこの自由さによる。 「同人」が付く言葉 同人誌は同人が作る本、同人サークルは活動をともにする集まり、同人作家は同人活動をする作り手を指す。コミックマーケットに代表される同人誌即売会は、作り手が読者に直接作品を手渡す場として発展してきた。 対象はオリジナル作品を生む一次創作と、既存作品を土台にする二次創作の両方に及ぶ。二次創作のイメージで語られやすい言葉だが、それだけを指すわけではない。
とりま
Torima(とりま)
「とりあえず、まあ」を省略した若者言葉で、細かいことは後回しにして、ひとまず行動に移そうという場面で前置きとして使われる。 「とりま飲もう」「とりま集合で」のように、「とりあえず」とほぼ同じ感覚で文頭に置く。カジュアルな会話やSNSの投稿で使われる表現で、目上の人やフォーマルな場面には不向き。ギャル語発祥だが、現在では若者全般に浸透している。 英語においては「Anyway」が近く、無くても伝わるがあるとカジュアル感が出て”良い”感じになるもの。
尊い
Toutoi(とうとい)
尊い(とうとい)は、心を奪われた相手に、思わず拝みたくなるほど素晴らしいという気持ちを表すオタク・ファンの言葉。対象はさまざま。アニメや漫画のキャラクター、その二人の関係性、実在のアイドルや声優にも使う。胸がいっぱいになって、ただ好きと言うだけでは足りないときに口をつく。 ただ好きという感情より一段深く、信仰心に近い響きを持つのが特徴。愛おしさが極まると、もう相手を神様や仏様のように感じ、手を合わせたくなる。だからこそ、軽い称賛よりも強い熱量がこもる。場面によっては、ただ最高だと伝えたいだけのときにも気軽に使われる。 もとは神仏や人の命、気高い生き方に向ける格式の高い言葉である。それをファンが推しへの感情に当てはめたところに、この語の面白さがある。古い敬いの言葉が、現代のオタクの語彙としてよみがえった形。
ツンデレ
Tsundere(つんでれ)
ツンデレ(Tsundere)は、普段はツンツンと冷たい態度をとりながら、特定の相手や場面ではデレデレと甘くなる人物やその性格を指す言葉。 「ツンツン」と「デレデレ」はどちらも日本語の擬態語(オノマトペ)。ツンツンは、尖ったもので「ツン」と突くような、相手を寄せつけない態度を音で表している。デレデレは、好きな相手の前で緊張がゆるんでとろけるように甘くなる様子。この二語が持つ音の鋭さと柔らかさの対比が、そのまま態度のコントラストを伝えている。 もともとはアニメやゲームのキャラクター属性を表すオタク用語だったが、現在は実在の人物や動物にまで幅広く使われている。
なろう系
Narou Kei(なろうけい)
Web小説投稿サイト「小説家になろう」発の作品、またはそこで頻出するテンプレート的な展開や設定を共有する作品群の総称。 異世界転生・転移、チート級の能力獲得、ステータス画面によるスキル表示、ハーレム展開といった特定のパターンを踏襲した作品を指す。必ずしも「小説家になろう」掲載作品に限らず、同様の構造を持つライトノベルやアニメ、マンガ全般に対しても広く使われている。
にわか
Niwaka(にわか)
にわかとは、ある分野に最近ハマり始めた人や、一時的に関心を寄せている人を指す言葉。特にオタク文化では、知識の浅い新規ファンや上辺だけのファンを指すことが多く、ほとんどの場合で見下すニュアンスを含む。 自虐的に自分のことを「にわかだ」と言ったりする事もあるが、他人に対しては相手を馬鹿にする明確な意図が無ければ使わない方が無難。 英語の bandwagon fan や casual fan に近い概念だが、にわかには独自のニュアンスがある。bandwagon fan が流行に乗っかるファン、fair-weather fan が好調時だけ応援するファンを指すのに対し、にわかは知識や経験がまだ浅いというのに焦点が当たる。 しかし、表面的な薄っぺらいファン精神を揶揄する意味合いが込められている点は共通していると言えるだろう。 日本語としての「にわか」 日本のインターネット界隈で活発的に使われる前から、「にわか」自体は古くからある日本語で、本来は急に、突然、一時的にという意味。にわか雨は一時的に降る雨、にわか景気は一時的な好況のことで、現在でもニュース番組などで聞く。この「一時的な」というニュアンスが、オタク文化でのにわかファンという用法にも引き継がれている。
ぬい
Nui(ぬい)
ぬいとは、ぬいぐるみの略。とくにアニメやゲーム、アイドルなどのキャラクターをかたどったぬいぐるみを指すことが多い。オタク文化やSNSの中で広まった呼び方で、自分の推しに限らず、キャラクターもののぬいぐるみを軽く「ぬい」と呼ぶこともある。 キャラクターぬいぐるみ全般を指すが、推し活の文脈で使われると、推し(応援しているキャラクターやアイドル、VTuberなど)を立体化したぬいぐるみという意味合いが強くなる。メーカーや公式が販売する公式ぬいだけでなく、ファンが自分で布から縫って作る自作ぬいや、市販品を推しに見立てたものも含まれる。 持ち歩ける小型サイズが好まれ、カバンに入れたり手に持ったりして連れ歩く前提のものが選ばれやすい。推しのぬいを手元に置き、連れ歩いたり撮影したり着せ替えたりする遊び方は「ぬい活」と呼ばれる。 英語では plushie が近いが、ニュアンスはずれる。plushie はぬいぐるみ全般を指す言葉で、キャラクターや推しとの結びつきまでは含まない。merch も公式グッズという意味では重なるものの、自作ぬいや分身として連れ歩く側面はこぼれ落ちる。
ぬい活
Nui-katsu(ぬいかつ)
ぬい活とは、ぬいぐるみに関連する活動のこと。お気に入りのぬいぐるみや、推しのぬいぐるみ(ぬい)を集めたり連れ出したり、写真を撮ったり服を着せたりして楽しむ活動全般を指す。 推し活の一ジャンルとして語られることが多いが、特定の推しを持つことは前提ではない。ひと目惚れした一体や、長く手元にあるお気に入りのぬいと出かけたり、着せ替えるのも同じくぬい活と呼ばれる。 楽しみ方は幅広い。家に迎えたぬいを飾るだけでなく、カフェや旅行先へ持ち歩いて写真を撮るぬい撮り、ぬいぐるみに着せる衣装のぬい服などを着せたり、複数の遊び方が周辺語とともに広がっている。ぬいを新しく手に入れることはお迎えと呼ばれ、コレクションよりも一緒に生活したり出かけることそのものを楽しむ。 公式の規格はなく呼び名もまちまちだが、20cm前後は飾り向き、持ち歩きには10cm前後、15cm前後が使われやすい。着せ替え用の衣装もこの二つのサイズで手に入りやすい。
腐女子
Fujoshi(ふじょし)
男性同士の恋愛を扱ったフィクション(BL/やおい)を好むオタク女性を指すネットスラング。対象はアニメ・漫画・ゲームなどのフィクション上のキャラクターであることがほとんどで、現実の同性愛とは区別される。 伏せ字やカップリング表記(攻め×受け)など独自の表現文化が発達しており、界隈特有の暗黙の了解も数多く存在する。近年はネガティブな印象が薄れ、SNSやメディアで公言するファンも増えている。
覇権アニメ
Haken Anime(はけんあにめ)
覇権アニメとは、同じクールに放送されているアニメ作品の中で、もっとも人気と話題を集めた一本を指すアニメファンの言葉。アニメは春・夏・秋・冬の3か月ごとに新シリーズが始まるクール制で編成されている。その3か月のあいだに売上や視聴数、SNSの盛り上がりなどで他作品を上回ったと見なされた作品が、「覇権を取った」と語られる。 公式の称号ではなく、ファンの議論のなかから生まれる呼び名である。判定基準も明文化されておらず、円盤の売上を重んじる人、配信ランキングを重視する人、SNSの熱量で測る人と、立場によって意見が割れる。 英語の anime of the season に近いが、こちらはその期に評価が高かった作品を穏やかに指す表現にとどまる。覇権アニメには他の作品を押しのけてトップに立ったという含みが乗る点で、印象が少し異なる。
平成レトロ
Heisei Retro(へいせいれとろ)
平成レトロ(へいせいれとろ)は、平成時代のモノやデザインを懐かしみ、今の暮らしにあえて取り入れる流行を指す言葉。平成は1989年から2019年までの30年あまりにわたる。ただし平成レトロが主に扱う範囲は前半から中ごろで、西暦でいえば1990年代から2000年代前半である。 広めている中心層は、その時代をほとんど知らない10代から20代。生まれる前や物心つく前の日用品が、見たことのないデザインとして目に入る。当時を過ごした世代にとっては同じものが素直に懐かしく感じることから話題になりやすい。 昭和レトロに続くレトロブームの一つとして語られる。英語圏でも Heisei retro として紹介され、たまごっちやプリクラを入り口に1990年代の日本へ関心を持つ層が出てきている。
メイドカフェ
Maid Cafe(めいどかふぇ)
メイドカフェとは、メイド服を着た店員が客を「ご主人様」「お嬢様」として迎えるカフェ。店員は屋敷に仕えるメイドという役を演じ、客は屋敷の主人という役を借りる。互いに設定を承知のうえで楽しむ、ごっこ遊びの空間である。 入店すると「お帰りなさいませ、ご主人様」の挨拶で迎えられる。名物は参加型の体験で、料理をおいしくする「萌え萌えキュン」のおまじないがよく知られる。ケチャップで絵を描いてくれるお絵かきオムライスや、店員と撮るチェキ(その場でプリントされるインスタント写真)も定番。多くの店は時間制の席料に加え、滞在中に1品以上を注文するワンオーダー制を組み合わせている。 店員が演じるのは素の自分ではなく、名前も口調も設定されたメイドという役どころだ。飲食店でありながら、店員と客が二人一組でその場かぎりの物語をつくる遊びの場になっている。 コンカフェとの関係 メイドカフェは、決まったテーマに沿って店員が接客する「コンカフェ」(コンセプトカフェ)というジャンルの源流のひとつ。いまでは動物をモチーフにした店やアニメ作品とのコラボ店など、テーマは多様に広がっている。
メロい
Meroi(めろい)
メロいは、推しや好きな相手の言動に心を奪われ、とろけそうになるほど魅力的であることを表す形容詞。恋愛感情に限らず、ビジュアルやパフォーマンスに圧倒されたときにも用いられる。 2024年には三省堂「今年の新語」に選出されるなど、若者言葉やオタク用語の枠を超えて認知されつつある。
ミリオタ
Miriota(みりおた)
ミリオタは、ミリタリーオタクの略で、軍事全般に深い関心を持ち、知識を蓄えている人を指す。「軍事オタク」「軍オタ」とも呼ばれ、英語圏では"military otaku (military nerd)" で通じることがある。兵器、戦史、戦略・戦術、軍装、国際安全保障など対象は幅広く、ひとくちにミリオタと言っても興味の対象は千差万別。 ミリオタ同士であっても得意分野が異なれば話がかみ合わないことも珍しくない。歴史オタクやメカ系オタク(銃、車両、航空機など)を兼ねているケースも多い。
萌え
Moe(もえ)
萌え(もえ)とは、漫画やアニメやゲームなどのキャラクターに強く惹かれ、高ぶった愛着を抱く気持ちを指す俗語。アイドルなど実在の人物に向けても使う。確かな定義はなく、相手を好きだと思う気持ちをまるごと言い表す。かわいい、いとおしい、目が離せない。そうした胸が動く瞬間をひとことに畳み込んだ言葉だと考えるとわかりやすい。 もとは動詞の萌えるの語幹で、萌えるは草木が芽吹くことを意味する。俗語としては名詞にも感動詞にもなる。 特徴的なのが属性と組み合わせる使い方である。眼鏡をかけたキャラに惹かれる気持ちは眼鏡萌え、素っ気なさと甘えが同居するツンデレへの好意はツンデレ萌え。妹や猫耳やメイドといった、心をくすぐる要素そのものは萌え属性や萌え要素と呼ばれる。何に萌えるかは人それぞれで、その組み合わせの数だけ萌えの形がある。
やばい
Yabai(やばい)
やばいとは、危険が迫っている、または物事が都合の悪い状況にあることを表す形容詞。「バレたらやばい」「終電がやばい」のように、危ない・まずいと感じる場面で使うのが本来の用法である。 近代では、すごい・最高だという強い感動を表す言葉としても広く使われる。絶品の料理を前にして「やばい」、推しのライブを見て「やばい」と、称賛の場面でも自然に口をつく。 肯定と否定のどちらにもなり、その両方を兼ねた強調にも使えるのが最大の特徴。感情や程度が振り切れたときに、その大きさだけを一言で表す言葉と考えると分かりやすい。「宿題の量がやばい」のように、良い悪いを離れて、ただ程度がはなはだしいという意味でも使われる。プラスとマイナスのどちらを指すかは、口調や表情、前後の文脈から読み取ることになる。
夢
Yume(ゆめ)
オタク文脈における「夢」とは、アニメや漫画・ゲームのキャラクターと、読者自身あるいは読者が思い描く人物との関係を描く創作ジャンルの総称。小説なら夢小説、イラストなら夢絵、漫画なら夢漫画と呼び、これらをまとめて夢向けという。 作品の主人公にあたるオリジナルキャラクターを夢主(ゆめぬし/ゆめしゅ)と呼ぶ。書き手や読み手が自分自身を重ねる自己投影型もあれば、作者から切り離された第三者として造形される型もあり、外見や性格に決まった形はない。 狭義には、主人公の名前を読者が自由に置き換えられる小説を指す。この名前変換の仕組みが夢というジャンルの出発点で、現在も多くの投稿サイトが対応している。 夢を好む人は夢女子、男性であれば夢男子と呼ばれる。ほかに夢女、ドリーマーといった言い方もある。 英語圏での「yume」 英語圏で近い概念は self-insert や reader-insert。読者の名前が入る箇所に Y/N(Your Name)と記す表記も広く使われている。近年はここに yume、yumeship という日本語由来の語が加わり、キャラクターと自分との関係を指す言葉として通じるようになってきた。
夢女子
Yumejoshi(ゆめじょし)
夢女子(ゆめじょし)は、アニメ・漫画・ゲームのキャラクターを相手に、自分や自分の分身との関係を想像して楽しむ女性のファン。その想像を小説やイラストの形にした創作ジャンルが「夢」で、夢を愛好する人を夢女子と呼ぶ。相手は二次元のキャラクターが中心だが、アイドルや声優など実在の人物に向かうこともある。 恋愛関係だけではなく、友情や家族のような間柄、あるいは直接は関わらず見守るだけの立場まで幅がある。物語への入り込み方もさまざまで、主人公を自分自身と重ねる人もいれば、自分とは別の独立した人物として動かす人もいる。 創作の中心に置かれるのが夢主(ゆめぬし)。読者や書き手の分身として物語に登場する主人公で、名前を持たないオリジナルの人物であることが多い。この夢主を通して、画面の向こうのキャラクターと過ごす時間を疑似体験する。「夢」という言葉には、現実にはありえない関係を思い描くという意味と、物語の世界へ入り込むという意味の両方が重なっている。 SNSの投稿や会話の中では、自分自身を半ば自虐ぎみに夢女(ゆめおんな)と自称することもある。
冷笑
Reisho(れいしょう)
冷笑(れいしょう)は、さげすんで笑うこと、あざ笑うことを意味する言葉。「冷笑を浮かべる」のように使う古い漢語である。ネットでは、他人の真剣な主張や熱意を、一段高い位置から冷ややかに茶化す態度を指すことが多い。 そうした態度をとる人を冷笑系と呼ぶ。その人たちをひとまとめにして、冷笑界隈ということもある。冷笑系は自分から名乗るより、他人を批判するレッテルとして使われやすいとされる。一方、女子中高生のあいだでは、熱中している人を見るとつい一歩引いてしまう距離の取り方を指す言葉としても広まっている。 2025年ごろからは、冷笑に使われる決まり文句そのものをネタにして遊ぶ動きも出てきたとされる。
リアコ
Riako(りあこ)
リアコとは、「リアルに恋してる」の略。アイドルや俳優、声優、アニメキャラクターなど、ファンとしての関係しか通常は持てない相手に対して、本気の恋愛感情を抱いている状態やその人自身を指す。 「推し」への応援とは異なり、交際や結婚を望むほどの恋心を伴うのが特徴。自分の気持ちを自覚した上で「リアコです」と自称するケースも多い。 ガチ恋との関係 類義語に「ガチ恋」がある。リアコは女性ファンの間で定着した表現で、ガチ恋は男性ファン寄りとされることもあるが、現在はどちらも性別を問わず使われている。 意味の違いはほぼなく、個人の好みやコミュニティによって使い分けられる程度。