Seichi Junrei
意味
オタク用語の文脈では、アニメ・マンガ・ゲームなどの作品に登場する舞台やモデルとなった実在の場所をファンが訪れる行為を指す言葉。要は「オタクにとっての”聖地”を訪れる」という意味合いを持つ。
一般に「舞台探訪」とも呼ばれるが、ファンのあいだでは「聖地巡礼」という呼び名のほうが広く浸透している。
近年ではアニメやマンガに限らず、ドラマや映画のロケ地、アイドルやバンドにゆかりのある場所を訪れる行為にも「聖地巡礼」という言葉が用いられるようになっている。
語源
宗教用語としての「聖地巡礼」がオタク文化に転用された正確な時期は特定されていないものの、アニメ作品の舞台を訪れるファン行動自体は1990年代から確認されている。
初期の代表例としては、1991年のOVA『究極超人あ~る』の舞台となったJR飯田線沿線(長野県・田切駅周辺)が挙げられる。ファンが作中に登場する自転車レースのルートを実際にたどったことが知られており、2018年には田切駅前に「アニメ聖地巡礼発祥の地」の記念碑がファンの寄付によって建立された。
「聖地巡礼」という呼称がネット上で定着し始めたのは2002年前後とされる。テレビアニメ『おねがい☆ティーチャー』の舞台である長野県大町市・木崎湖にはファンが継続的に訪れるようになり、地元住民との交流も生まれたことで、「聖地巡礼」という行為そのものの認知が広がった。
2005年には柿崎俊道による『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』(キルタイムコミュニケーション)が刊行され、ネットスラングとしての「聖地巡礼」を書名に冠した初の出版物とされている。
用例
- 1 来月京都行くんだけど、ついでに聖地巡礼もしたいんだよね
- 2 あのカット、完全にここじゃん!聖地巡礼成功!
- 3 聖地巡礼のついでにご当地グルメも満喫してきた
補足
宗教用語としての本来の意味
「聖地巡礼」はもともと宗教上の重要な土地を信者が巡る行為を指す言葉。キリスト教におけるエルサレムやサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼、イスラム教のメッカ巡礼(ハッジ)、日本では四国八十八ヶ所巡りや熊野詣などが代表的な例にあたる。ファン文化においては、作品の舞台を「聖なる場所」に見立て、そこを訪れる行為に宗教的な巡礼のニュアンスを重ねて使われるようになった。
聖地巡礼のマナー
聖地巡礼の広がりとともに、訪問先でのマナーも注目されるようになっている。
バスケ漫画『スラムダンク』に登場する舞台のモデルとなった鎌倉市の聖地に、海外観光客が聖地巡礼として訪れていた件が記憶に新しい。観光客によるゴミのポイ捨て、踏切内への侵入、狭い道でのツアーバスの乗り降りなどで、地域住民や近隣高校に通う子どもたちがトラブルに巻き込まれているというもので、メディアにも取り上げられた。
良心的でマナーの良い観光客の方が多数派であることは地域の自治体も認識しており、迷惑行為を抑える努力を続けているが、不必要な負担を強いている状況に変わりない。
国内外の聖地巡礼者には、地域との良好な関係を維持するためにも、現地のルールを守る姿勢や住民への配慮が求められている。
- 外部リンク
聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり
2005年に柿崎俊道が刊行した、「聖地巡礼」を書名に使用した初の書籍。国立国会図書館サーチの書誌情報。
アニメ聖地巡礼発祥の地「究極超人あ~る」(JR飯田線田切駅)
2018年に建立された田切駅前の記念碑と、『究極超人あ~る』が聖地巡礼の起源とされる経緯についての記録。
"聖地巡礼"は一体いつから行われていた?
アニメーション評論家・藤津亮太へのインタビューを含む、聖地巡礼の起源と変遷を追った記事。
最終更新日
Japanese
聖地巡礼
Hiragana
せいちじゅんれい
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