Chunibyo
意味
厨二病(ちゅうにびょう)は、中学2年生前後の思春期にありがちな、自意識過剰で痛々しい言動を揶揄するネットスラング。「病」と付くが医学用語ではなく、思春期特有の背伸びを「発症する」「かかる」のように病気になぞらえた表現。
もっとも広く知られているのは、自分に超常的な力が封印されている、秘密の組織に狙われているといった壮大な妄想を抱くタイプ。ただし本来の意味はもっと広く、大人ぶった背伸びや、メジャーなものを見下すサブカル志向、不良を気取る態度なども含まれる。自嘲にも他人へのツッコミにも使われ、年齢は問わない。
アニメやライトノベルでは厨二病キャラがひとつのジャンルとして定着しており、海外のアニメファンにも広く認知されている。
語源
「中二病」の発祥は、1999年1月11日放送のTBSラジオ『伊集院光のUP’S 深夜の馬鹿力』。パーソナリティの伊集院光が番組内で「自分が未だ中二病に罹患している」と発言し、翌週から「かかったかな?と思ったら中二病」というコーナーを開始。リスナーから寄せられた「症例」を紹介する形式で、「因数分解が何の役に立つのかと言い出す」「うまくもないブラックコーヒーを飲み始める」「本当の友達を探そうとする」といった思春期の“あるある”を笑いに変えていった。
命名のきっかけについて伊集院は、みうらじゅんとの雑談で「中学2年生の男子が一番おもしろい」という話題になったことを挙げている。四十肩のように年齢と紐づけて病名風にすれば、思春期の痛い言動も笑い話にできるという着想。コーナーは同年3月に終了し、しばらくは番組リスナーの間だけの用語にとどまっていた。
2005年頃から2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で再び使われ始め、自嘲よりも他者を嘲笑する文脈が主流になっていく。決定的な転機は2006年、ニュース速報(VIP)板のスレッドに投稿された通称「邪気眼」のコピペ。中学時代に自分だけの第三の目「邪気眼」を設定し、腕に包帯を巻いて封印された力が暴走する演技をしていたという黒歴史の告白で、『幽☆遊☆白書』の飛影に影響を受けたとされる。この投稿が爆発的に拡散したことで、中二病のイメージは「思春期の背伸び全般」から「超常的な力への妄想」へと大きく偏った。
「厨二病」の表記は2ちゃんねる発のスラング。中学生を指す蔑称「厨房」(「中坊」の当て字)から「厨」の字を借りたもので、「中二病」よりも嘲笑的なニュアンスが強い。
用例
- 1 「あいつ昨日から急に眼帯し始めたんだけど」「完全に厨二病じゃん」
- 2 「中学の時に書いたノート出てきて死にたくなった。厨二病全開の黒歴史」
- 3 A「右腕が疼く……」B「はいはい厨二病乙」
- 4 「厨二病こじらせてた頃のポエム、親に見つかるのだけは何としても阻止したい」
補足
中二病の3類型
ネット上では中二病を3つのタイプに分ける見方が広く浸透している。ライトノベル作家・塞神雹夜が2008年の著書『中二病取扱説明書』(コトブキヤ)で体系化した分類で、現在もよく引用される。
DQN系は不良やアウトローに憧れ、反社会的な自分を演出するタイプ。校則への無意味な反発や「群れるやつは嫌い」といった言動が典型で、根は真面目なため本物にはなりきれない。
サブカル系はメジャーなものを否定し、マイナー路線の趣味で優越感を得ようとするタイプ。「有名になったら終わり」「売れ線はダサい」が口癖。サブカル自体への愛着より「他人と違う自分でいたい」という欲求が原動力になっている。
邪気眼系はもっとも広く知られたタイプで、超常的な力や異世界の設定を本気で(あるいは半ば本気で)信じ込み、自分は特別な存在であるという妄想に没頭する。腕に包帯を巻く、眼帯をつける、オリジナルの必殺技名を考案するといった行動が典型的。現在「中二病」と言えばまずこのタイプが連想される。
「中二病」と「厨二病」
どちらも同じ概念を指すが、使われる場面に傾向がある。「中二病」は辞書的な説明やメディアの見出し、作品タイトル(『中二病でも恋がしたい!』など)で使われやすい。一方「厨二病」はSNSや掲示板といったカジュアルな場で好まれる傾向がある。どちらを使っても通じるため、厳密な使い分けのルールはない。
「黒歴史」との関係
厨二病はしばしば黒歴史とセットで語られる。かつての厨二病的な言動を振り返って「黒歴史」と呼ぶ使い方が定着しており、「黒歴史ノート」「黒歴史ポエム」のような表現も広く使われている。
- 外部リンク
中二病とは — ニコニコ大百科
ネット文化の当事者コミュニティによる詳細な解説。伊集院光のラジオ初出から2ちゃんねるでの意味変遷、類型の整理まで網羅。
邪気眼とは — ニコニコ大百科
2006年の2ちゃんねる投稿「邪気眼」コピペの原文と解説。厨二病の意味が「超能力妄想」へシフトした転換点の一次記録。
中二病取扱説明書 — 塞神雹夜(Amazon.co.jp)
ライトノベル作家・塞神雹夜による2008年の著書。中二病の3類型(DQN系・サブカル系・邪気眼系)を体系化した分類の出典。コトブキヤ刊、現在は絶版。
最終更新日
Japanese
厨二病
Hiragana
ちゅうにびょう
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