聖夷編『日本三國』の聖地巡礼、桜虎の歩いた美しい雪国をめぐる

A travel guide to the real-world locations of Seii, the northern nation in the manga and anime Nippon Sangoku. It tours the actual spots in Niigata and Ishikawa that became settings in the Seii arc, from Shibata Castle and Bandai Bridge to the old teahouse streets of Kanazawa, with the scenes they inspired, what to see on site, and how to get there.

約7分
聖夷編『日本三國』の聖地巡礼、桜虎の歩いた美しい雪国をめぐる

日本で三国志をするならという趣旨で描かれた漫画『日本三國』。春にはアニメがスタートし、華やかな画面と見応えのある演出で人気を博しています。

アニメ一期で描かれているのは主に、大国「大和」とそれを討たんとする「聖夷」の戦い。今回は、聖夷の領内に実在する聖地、つまり作品の舞台のモデルになった現実の場所をめぐります。

作品そのものの世界観やあらすじは、別記事でくわしく取り上げています。

日本三國「聖夷」とは?

主人公・三角青輝が所属する大和の敵国にあたるのが聖夷です。三つの国のなかでいちばん北に位置し、旧石川県より北の日本海側と岩手、そして北海道を領土とします。

大和が君主制をとるのに対して、聖夷は大統領が率いる共和制の国。物語のなかでは、大和に降伏すべきだとする一派と、最後まで戦うべきだとする一派が国内で対立します。やがて主戦派が政変を起こし、輪島桜虎という若い総帥が実権をにぎったことから、大和との本格的な戦いが動き出します。

聖夷の主要人物

「聖夷西征編」で登場する主要な人物を紹介します。

輪島桜虎(わじま おうが)

聖夷の主戦派を率いる若き総帥。能登の生まれで、父や兄を失い、わずか14歳で一族の長となりました。作中では、温和な人柄と気品ある佇まいで民衆の心をつかむ女性です。

降伏か抗戦かで揺れる国をまとめ、大和との戦いへ突き進む、物語の鍵をにぎる人物です。

自国民から「尊いッ!」として、男性からの支持が厚いのも印象的。

閉伊弥々吉(へい ややきち)

桜虎がもっとも信頼を寄せる軍師です。丸い眼鏡と口ひげをたくわえた年配の男性で、長く輪島家に仕えてきました。

若い総帥を支える、聖夷の頭脳というべき存在。桜虎とは長年家族ぐるみの付き合いであり、家族同然の存在でもあります。

長尾武兎惇(ながお むうとん)

聖夷軍の部隊を率いる若い隊長です。桜虎への忠誠心が厚く、戦いでは目を見張る強さを見せます。聖夷編で印象に残る武人のひとりです。

九羅亜輝威(くら あてるい)

同じく聖夷軍の隊長です。武力に秀でた人物で、その腕を見込まれ、桜虎から厚い信頼を寄せられています。

聖夷編で新たに登場する大和側の人物

  • 菅生強(すごう ごう)
    大和の辺境将軍隊に属する右中将です。角砂糖に目がない一面を持つ猛将で、聖夷との戦いの最前線に立ちます。
  • 平殿継(たいら の とのつぐ)
    大和で大きな権力をにぎる内務卿・平殿器の長男です。書物をつかさどる大司書として、聖夷へ攻め込む軍を率います。

「聖夷」はどこにある?

Map of Japan highlighting regions of Seii in yellow.

※地図右上、北海道の島々については詳細不明

地図の黄色い部分が、聖夷の領土です。一見、広大な土地を占めているように見えますが、北海道をはじめ日本海側の北国は雪が多く降る場所。機械や技術が発展した現代であっても冬の時期を過ごすのは簡単ではありません。文明が退化した作中であればなおのことでしょう。

聖夷が貧しさに喘ぐ大きな理由のひとつが、この厳しい立地にあることが推察できます。

日本三國「聖夷」の聖地巡礼

ここからは聖夷の領地として作中に登場し、現代の日本にも実在する場所を紹介します。

新発田城 / 聖夷の本拠地

Traditional Japanese castle gatehouse with a tiled roof and white walls, built above a stone moat.

新発田城・本丸表門(国重文)

新潟県の北部は、聖夷の中心にあたる土地です。新発田のすぐ隣にある聖籠町は、首都・聖籠都のモデルとされています。

アニメには、聖夷の城が登場します。そのモデルとされるのが新潟県の新発田城。作中では新発田練兵城という名前で描かれます。

新発田城は新発田市に残る城跡です。天守の代わりを務めた三階櫓は、丁字型の屋根に三匹の鯱を載せた、全国でもここだけの珍しい姿をしています。三階櫓は2004年に復元したもので、江戸時代から残る表門と隅櫓の二棟は国の重要文化財に指定されています。

入園は無料で、見学できるのは4月から11月まで。最寄りはJRの新発田駅から歩いて20分ほどです。なお三階櫓は自衛隊の敷地内にあるため、残念ながら中には入れません。

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萬代橋

A cityscape with a stone arch bridge over water, a large white building on the left, and a red-and-white broadcast tower on the right.

新潟市を流れる信濃川に、萬代橋(ばんだいばし)という橋が架かっています。聖夷の領内の風景として、作中に登場します。

いまの萬代橋は1929年に架けられた三代目で、2004年に国の重要文化財となりました。御影石でつくられた連続するアーチが美しく、長さは約307メートル。1964年の新潟地震にも耐え、街の人々を支えてきた橋です。JRの新潟駅から歩いて15分ほど、バスなら「万代シテイ」で降りてすぐの場所にあります。

石川県・金沢 / 聖夷の加賀省

作中で、石川県のあたりは聖夷の北陸道加賀省として描かれます。大和軍が攻め込む征西の主戦場で、金沢の街は聖夷軍の拠点になっています。

金沢城公園

A Japanese castle complex with white walls, dark roofs, a stone foundation, and a wooden bridge over a moat.

作中では、聖夷軍が立てこもる拠点の城として描かれます。

現実の金沢城は、金沢城公園として整備されています。見どころは、菱櫓から橋爪門続櫓へと続く五十間長屋や、2020年に復元された鼠多門です。長屋などの内部見学は大人320円で、公園そのものは無料で歩けます。金沢駅からは城下まち金沢周遊バスの右回りで18分ほど、「兼六園下」で降りてすぐです。なお2024年の能登半島地震の影響で一部に立入制限が出ることもあるため、訪ねる前に公式サイトで確かめておくと安心です。

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ひがし茶屋街(東山宿屋街)

Traditional Japanese street lined with old wooden buildings, stone pavement, and lanterns.

作中では東山宿屋街と呼ばれ、大和の将官たちが宿をとる場所として登場します。

ひがし茶屋街は、金沢でも指折りの古い町並みで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。紅殻格子の茶屋が、石畳の通りの両側に続きます。金沢駅からはバスで「橋場町」へ向かうのが便利です。

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浅野川

A scenic Japanese street lined with cherry blossom trees, traditional lanterns, and wooden buildings.

茶屋街のそばを流れる浅野川も、作中に登場します。長尾武兎惇たちが大和の将官を討ちに向かうのが、この川沿いです。

浅野川には、1922年に架けられた三連アーチの浅野川大橋と、木造風の梅ノ橋がかかります。浅野川大橋は国の登録有形文化財です。ひがし茶屋街から歩いてすぐなので、あわせてめぐれます。

犀川

Illuminated light blue truss bridge at night, with a sign overhead.

犀川大橋

金沢には、浅野川と対をなすもう一つの川「犀川」が流れています。金沢フィルムコミッションは、この川もロケ地に挙げています。

犀川にかかる犀川大橋は、1924年に完成した鋼のトラス橋で、国の登録有形文化財です。浅野川大橋と犀川大橋、二つの川にかかる古い橋は、城下町金沢を歩くときのよい目印になります。

金沢駅

The red wooden Tsuzumi-mon Gate of Kanazawa Station, a large archway with a latticework roof, stands in front of a modern glass building.

金沢駅も、作中に登場します。

駅の兼六園口には、能の鼓をかたどった鼓門という大きな門が立っています。木を組み上げた堂々とした姿で、金沢を象徴する眺めとして知られています。

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小松空港

A building with a large red "KOMATSU" sign on its roof against a vibrant blue sky.

作中では、大和の龍門光英の一団が野営する場所として登場します。

現実の小松空港は石川県の主要な交通網の一つ。ターミナルの前には、歌舞伎の勧進帳で知られる弁慶と富樫の像が立っています。

展望デッキからは、隣り合う航空自衛隊の基地を間近に見流ことができ、民間機と自衛隊機が滑走路を分け合う共用空港でもあります。

金沢駅へはリムジンバスでおよそ40分、加賀温泉郷へ向かうバスも出ています。

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手取川

作中で金沢を目指す大和軍が渡るのが、手取川にかかる手取川大橋です。菅生強と平殿継が率いる軍が、ここで川を越えます。

手取川は、白山に源を発して日本海へ注ぐ、石川県でも有数の大きな川です。全長はおよそ72キロメートル。下流に広がる加賀平野は、この川が運んだ土砂がつくった扇状地です。上流には、流れが岩を削った手取峡谷の渓谷美も知られています。

白峰大橋

作中では、輪島桜虎が率いる聖夷軍の進軍路として描かれます。

白峰大橋は、白山市の白峰へと続く道に架かる橋です。白峰は、白山のふもとの山里で、冬は深い雪に覆われます。古い家並みの残る景色は、聖夷の世界とも重なります。雪に備えた大壁造りの民家が並ぶ町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。2月には、雪だるままつりでにぎわいます。

手取フィッシュランド

A colorful Ferris wheel and red roller coaster in an amusement park.

金沢フィルムコミッションは、手取フィッシュランドもロケ地に挙げています。

能美市にある手取フィッシュランドは、石川県で唯一の遊園地です。メリーゴーラウンドやゴーカートが並び、九谷焼の五彩で彩られた観覧車が目印。施設の名前は、敷地内の釣り堀に由来します。

入園と駐車場は無料で、乗り物ごとに料金を払うしくみです。

聖夷を構成する都道府県

聖夷の領土は、旧石川県より北の日本海側から岩手・北海道へと広がります。作中で名前を確認できる行政区分は、北陸にあたる次の五つの「省」です。これらは、のちに大和へ割譲される土地として物語に登場します。

  • 加賀省(石川県の南部、旧加賀)
  • 能登省(石川県の北部、能登半島)
  • 越中省(富山県、旧越中)
  • 聖籠省(新潟県、首都の聖籠都を含む)
  • 佐渡省(新潟県の佐渡島)

大和が旧国名を「州」の単位で使うのに対して、聖夷は「省」という呼び名を用います。岩手や北海道にあたる地域の区分名は、いまのところ作中で明らかになっていません。物語がさらに進めば、新しい地名が判明するかもしれません。

先日、アニメ二期の制作が発表された『日本三國』、これからの展開がまだまだ楽しみです!

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公開日 最終更新日

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