
石川県
Ishikawa
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石川県の概要
加賀百万石の城下町として栄えた金沢と、日本海に突き出た能登半島。石川県には、藩政時代から受け継がれてきた歴史や伝統工芸、四季折々の自然が凝縮されています。都市の文化と半島の原風景、その両方を一度の旅で味わえるのがこの県の魅力です。
兼六園
金沢市の中心部に広がる兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園に数えられる庭園です。面積は約11.4ヘクタール。江戸時代に加賀藩の歴代藩主が長い年月をかけて造り上げました。
園内のシンボルとして知られるのが、二本脚の灯籠であることじ灯籠です。すぐそばの霞ヶ池の水面に映る姿は、兼六園を象徴する風景として写真や絵葉書にもよく使われています。池の周囲には松や桜、梅などが植えられ、散策路をたどるごとに景色が変わります。
冬になると、雪の重みから木々の枝を守るために縄を円錐状に張る雪吊りが施されます。雪をまとった木々と幾何学的な縄のシルエットが織りなす光景は、北陸の冬ならではの風物詩。春は桜、夏は深い緑、秋は紅葉と、どの季節に訪れても趣の異なる表情を楽しめるでしょう。
金沢の城下町
金沢は戦災を受けなかった数少ない都市のひとつで、江戸時代からの街並みが今なお色濃く残っています。城を中心に広がる町には、武家文化と町人文化が交差した独特の風情があります。
金沢城公園
加賀藩前田家の居城だった金沢城の跡地を整備した公園です。2001年に復元された菱櫓と五十間長屋は、伝統的な木造工法で再現された白壁の建築群。内部では釘を使わない木組みの構造を間近で観察できます。兼六園とは道路を挟んで向かい合っており、あわせて散策するのが定番のルート。
ひがし茶屋街
格子戸の町家が並ぶ、金沢を代表する茶屋街です。江戸時代の1820年に加賀藩の政策で設けられました。石畳の通りの両側に紅殻格子の建物が連なり、かつて芸妓が芸を磨いた茶屋の雰囲気をそのまま伝えています。現在は一部の茶屋が内部を公開しているほか、和菓子店やカフェ、工芸品のギャラリーとしても利用されています。
長町武家屋敷跡
金沢城の西側に位置する、中級武士たちが暮らしていた屋敷跡の一帯です。土塀と用水路が続く静かな小路は、城下町の暮らしぶりをしのばせる散歩道。武家屋敷跡野村家では、当時の間取りや庭園を見学でき、ミシュラン・グリーンガイドで二つ星の評価を受けた庭は一見の価値があります。
能登半島

金沢の北に延びる能登半島は、荒々しい海岸線と素朴な農村風景が広がるエリアです。昔ながらの農林漁業と自然が一体となった景観は、2011年に世界農業遺産にも認定されました。都市部とは異なる、ゆったりとした時間の流れを感じられます。
千里浜なぎさドライブウェイは、全長約8kmの砂浜を車やバスが走れる日本で唯一の海岸道路です。きめ細かい砂が海水を含んで硬く締まるため、波打ち際のすぐそばを走行できます。路線バスでもアクセスできるので、運転をしない旅行者も車窓からこの不思議な光景を楽しめます。
輪島市で開かれる輪島朝市は、1000年以上の歴史があるとされる露天市です。約200mの通りに鮮魚、干物、野菜、漆器などの露店が並び、地元のおばちゃんたちとのやりとりも旅の楽しみのひとつ。朝8時から正午ごろまでの開催で、能登の暮らしと食文化を肌で感じられる場所です。
白米千枚田は、日本海を見下ろす急斜面に1,004枚の小さな棚田が重なる景観地。一枚一枚の田が小さく、機械が入れないため今も手作業で耕作されています。5月の田植えの時期には水を張った棚田が鏡のように海と空を映します。10月から3月にかけてはイルミネーションイベント「あぜのきらめき」が開催され、LEDの光が棚田を彩ります。
金箔と伝統工芸体験
金沢は日本の金箔生産量の約99%を占める、金箔の一大産地です。ひがし茶屋街や金沢駅周辺には、金箔貼り体験ができる工房がいくつもあります。箸や小箱、アクセサリーなどに自分で金箔を貼る体験は、海外からの旅行者にも好評です。

Kinpaku Ice Cream
金箔を使った食べ物も金沢の名物になっています。なかでも金箔ソフトクリームは、ソフトクリームの上に一枚の金箔をまるごとのせた見た目のインパクトが大きく、SNSでも話題のスイーツ。味そのものは普通のソフトクリームですが、キラキラと光る金箔を食べるという体験自体がおもしろいところです。
金箔以外にも、九谷焼の絵付けや加賀友禅の彩色といった伝統工芸の体験プログラムを提供する工房が市内に複数あります。職人の手仕事を間近で見学し、自分の手で作品を仕上げる時間は、買い物では得られない深い文化体験となるでしょう。
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位置
石川県の場所
石川県は本州の中央北西部、日本海に面する北陸地方の県です。県庁所在地は金沢市。県北部には海に大きく張り出す能登半島があり、外海側は荒波の日本海、内側は富山湾に面した穏やかな海と、対照的な景観が広がります。
東は富山県、南は福井県、南東は岐阜県と接します。地図では本州の“日本海側”(東京などの太平洋側と反対)に位置し、関西や中部の大都市圏から見ると北〜北西方向。
金沢エリアは歴史的建造物も多く、北陸の交通・観光の拠点としても知られています。
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Access
石川県へのアクセス
石川県の空の玄関は小松空港です。東京の羽田空港から約1時間のフライトで到着し、空港から金沢駅まではリムジンバスで約40分。
鉄道では、北陸新幹線の利用が便利です。東京駅から金沢駅まで最速のかがやき号で約2時間半。2024年3月には福井県の敦賀駅まで延伸し、沿線のアクセスがさらに広がりました。大阪方面からは、特急サンダーバードで敦賀駅まで行き、北陸新幹線に乗り換えて金沢へ向かうルートが一般的で、合計の所要時間は約2時間40分ほど。
金沢市内の移動には、観光スポットを巡回する城下まち金沢周遊バスが便利です。金沢駅を起点に兼六園やひがし茶屋街などの主要な見どころを結んでおり、1日フリー乗車券もあります。北陸鉄道の路線バスやタクシーも市内各所をカバーしているので、公共交通だけで十分に観光を楽しめるでしょう。
能登半島方面へは、のと鉄道や路線バスでアクセスできます。主要な観光地をまとめて巡れる定期観光バスも運行されているので、効率よく能登を周遊したい場合にはこちらも選択肢のひとつ。
冬場は北陸地方特有の積雪に注意が必要です。12月から2月にかけて金沢市内でも雪が積もることがあるため、防水性のある靴や暖かい服装を準備しておくと安心です。
地元自慢
特産品
石川県は日本海に面し、長く突き出た能登半島が豊かな漁場を形成しています。対馬暖流と冷たい海流がぶつかるこの海域では、季節ごとに多彩な魚介類が水揚げされます。内陸部に広がる加賀平野は実り豊かな農地で、良質な米や伝統的に受け継がれてきた野菜の栽培が盛ん。
北陸特有の高い湿度と雪深い冬の気候は、日本酒の醸造や発酵食品づくりに適した環境をもたらしました。さらに石川県は、漆器、陶磁器、染色、金箔加工といった伝統工芸の産地としても全国屈指の存在感を誇ります。海の幸、大地の恵み、そして職人の手仕事が揃った、食文化と工芸文化の両方が際立つ県です。
食べ物
工芸品・その他
Through the ages
石川県の歴史
石川県の歴史は、能登と加賀の二国にまたがる地域史から始まります。中世には加賀一向一揆が自治を築き、戦国期には織田信長の勢力が進出、家臣の前田利家が金沢に拠点を置きました。
江戸時代、前田家は最大級の外様大名となり、「加賀百万石(※米の生産量の単位)」と呼ばれる豊かな財力で城下町を整備。金箔、加賀友禅、九谷焼、茶の湯などの文化が育ちました。近代の廃藩置県で石川県が成立し、日本海の商船ネットワーク・北前船や鉄道整備を背景に繊維・機械工業が発展。
県ゆかりの偉人として、鈴木大拙(仏教哲学者)、西田幾多郎(哲学者)、泉鏡花(小説家)、室生犀星(詩人)が知られ、武将では前田利家・前田利長が名高い存在です。
旅の準備