中国地方
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Chugoku Region

中国地方の位置

中国地方は本州の西部に位置し、広島、岡山、山口、鳥取、島根の五つの県から成り立っています。日本海と瀬戸内海の両方に面しており、海と山が織りなす多彩な景観が魅力です。

古代から交通の要衝であり、歴史や文化が深く根付いた地域として知られています。

中国地方の気候

中国地方(本州西部)は中国山地を境に、日本海側の「山陰」と瀬戸内海側の「山陽」で気候が対照的。山陽は雨が少なく晴天が多い一方、山陰は冬に季節風で雨や雪が増えます。

6月前後の梅雨と、夏〜初秋の台風で大雨となることも。都市部は冬でも比較的温暖ですが、山地では積雪・凍結が発生します。

春の背景

寒さが和らぎ、桜は3月下旬〜4月。山陽は晴れて観光向き、山陰は前線性の雨が増えることも。黄砂・花粉への対策があると安心です。

中国地方の歴史

中国地方は本州西部(鳥取・島根・岡山・広島・山口)。古代は出雲大社に象徴される神話世界が息づき、吉備(岡山)も強勢でした。中世は瀬戸内海交易で栄え、室町後期には山口の大内氏が京風文化を受け入れ「西の京」と称されます。

戦国期には毛利元就が台頭し、大内義隆や尼子晴久と争い、1555年の厳島の戦いで覇権を確立。関ヶ原では小早川秀秋の寝返りが勝敗を左右し、その後は浅野・池田・松平・毛利などが藩政を担いました。岡山の池田家は学芸を奨励し後楽園を整備、松江の松平家や鳥取の池田家も城下町を発展させます。

幕末には萩の長州藩が吉田松陰・高杉晋作らを輩出し、薩長同盟で倒幕を主導。近代は伊藤博文(初代首相)を生み、呉の海軍工廠や倉敷・福山の工業が発達。

広島は1945年の原爆投下を経て平和都市として再生し、松江には小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の足跡が残ります。今日も文化と平和の発信地です。

日本人の認識

日本人にとって中国地方は「穏やかな気候と自然」「神話や歴史の舞台」というイメージが強くあります。出雲大社や厳島神社などの聖地、松江城や津和野といった歴史的な街並みは全国的に有名です。広島のお好み焼きや牡蠣、岡山の桃といった食文化の豊かさも広く認識されています。

特色

中国地方は瀬戸内海と日本海という二つの海に面しているため、気候や文化に大きな多様性があります。瀬戸内側は温暖で、穏やかな海の景色と温暖な暮らしが広がります。一方、日本海側は四季の変化がはっきりしており、冬の雪景色や豊かな魚介を楽しむことができます。また、この地は古事記や日本書紀に記される神話の舞台でもあり、古代の物語が今も人々に親しまれています。

交通

中国地方は新幹線や高速道路で大阪や東京と結ばれており、主要都市へのアクセスは良好です。広島空港や出雲空港など国内外の空港も整備されています。地域内の移動には鉄道やバスが便利ですが、山陰や海岸沿いをじっくり巡るならレンタカーが役立ちます。

名称の由来と「中国」との違い

「中国地方」という名前は、外国の「中国(China)」とは関係がありません。日本では古代、都(京都)からの距離によって地方を大きく「近国」「中国」「遠国」と呼び分けていました。都に近い地域が「近国」、遠い地域が「遠国」、その中間にある地域が「中国」とされたのです。現在の中国地方はまさにその「都から中くらいの距離」にあるため、そう呼ばれるようになりました。つまり、日本国内の歴史的な地理区分が由来であり、現代中国とは別物です。

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