埼玉県

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Saitama

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埼玉県の概要

東京に隣接しながら、江戸時代の城下町から古墳時代の遺跡、渓谷や山岳まで多彩な表情を持つのが埼玉県です。都心から電車で30分〜1時間半ほどの範囲に、歴史散策、自然体験、伝統文化と異なるジャンルの見どころが凝縮されています。ユネスコ無形文化遺産に登録された祭りや手漉き和紙の技術など、世界に認められた文化資産も少なくありません。

川越の蔵造りの町並み

A historic Japanese street with traditional wooden buildings and a prominent bell tower under a blue sky.

川越市の一番街には、江戸後期から明治にかけて建てられた蔵造りの商家が約30棟並んでいます。黒漆喰の重厚な壁は火災に備えた耐火建築で、今の東京では見ることのできない江戸の町家の姿をとどめる貴重な一角。1999年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

通りにひときわ高くそびえるのが、約400年前に川越藩主・酒井忠勝が建てたとされる時の鐘です。現在の塔は4代目にあたり、1893年の川越大火の直後、自らの店より先に鐘楼を再建した商人たちの心意気が語り継がれています。高さ16mの3層構造で、今も1日4回、蔵の町に鐘の音を響かせており、環境省の残したい日本の音風景100選にも選定されたほど。菓子屋横丁ではハッカ飴やいも菓子を売る約20軒の店が軒を連ね、昔ながらの駄菓子屋の風情が残っています。

秩父夜祭と三峯神社

Ornate Japanese festival float illuminated by many lanterns at night, with people on and around it.

毎年12月2日、3日に行われる秩父神社の例大祭は、京都の祇園祭、飛騨の高山祭と並ぶ日本三大曳山祭のひとつです。釘を一切使わない伝統技法で組み上げられた笠ほこ2基と屋台4基が、冬の夜の町を練り歩く姿は壮観のひとこと。提灯の灯りに照らされた山車と冬空に打ち上がる花火の共演は圧巻で、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

秩父市街から奥秩父の山中へ車で約1時間、標高約1,100mの山上に鎮座するのが三峯神社です。関東屈指のパワースポットとして知られ、日本武尊が東征の折に創建したと伝わります。三ツ鳥居と呼ばれる珍しい三連の鳥居をくぐると、杉の巨木に囲まれた静謐な境内が広がり、雲海に包まれる早朝の風景は幻想的そのもの。

長瀞渓谷の岩畳

A wooden boat carrying people in yellow life vests navigates a turquoise river between rocky cliffs.

秩父鉄道長瀞駅から徒歩約5分、荒川沿いに幅約50m、長さ約600mにわたって広がる結晶片岩の大露頭が岩畳です。約8,500万年前にプレートとともに地下20〜30kmの深さに沈み込み、高圧で変成を受けた三波川帯の岩石が長い年月をかけて地表に現れたもの。1924年に国の名勝及び天然記念物に指定され、明治時代にドイツ人地質学者ナウマンが調査を行ったことから日本地質学発祥の地とも呼ばれます。

対岸にそびえる高さ約100m、長さ約500mの断崖は秩父赤壁と名づけられ、岩中の鉄分が酸化して赤く染まった姿が見ごたえ十分です。荒川のライン下りでは、船頭の竿さばきを間近に感じながら、岩畳と赤壁の景観を水面から楽しめます。

さきたま古墳群と国宝・金錯銘鉄剣

Dry grassy mounds under a clear blue sky, with a staircase leading to a circular structure on the left.

行田市のさきたま古墳公園には、5世紀後半から7世紀にかけて築造された前方後円墳8基、大型円墳1基を含む古墳群が保存されています。なかでも丸墓山古墳は直径105mで日本最大級の円墳とされ、墳頂からは周囲の田園風景を一望できるのも魅力。春には墳丘を囲むように桜が咲き、花見の名所としても親しまれてきました。

この古墳群の学術的価値を決定づけたのが、1968年に稲荷山古墳から出土した金錯銘鉄剣です。表裏115文字の金象嵌銘文は古墳時代の刀剣類としては群を抜く文字数で、100年に一度の発見と評されたほど。隣接するさきたま史跡の博物館では鉄剣の実物や副葬品が展示されており、1,500年前の東国と大和政権の結びつきを目の前で感じられます。

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位置

埼玉県の場所

埼玉県は関東地方の中央部に位置する内陸県で、県庁所在地はさいたま市です。2025年1月時点の住民基本台帳に基づく人口は約737万人で、全国第5位。東京都、神奈川県、大阪府、愛知県に次ぐ規模であり、内陸県としては最も多くの人が暮らしています。さいたま市は内陸県で唯一の政令指定都市でもあります。

県の東側には関東平野が広がり、台地と低地を合わせた平地の割合が県土の約61%を占めます。平地がここまで大きな比率を示す県は全国でもわずか3つだけ。一方、西部には秩父山地がそびえ、最高峰の三宝山は標高2,483mに達します。利根川、荒川、江戸川など大きな河川が県内を流れ、荒川の鴻巣市付近では川幅が2,537mと日本一を記録しています。海に面していない代わりに、水と大地の恵みが埼玉の風土を形づくってきました。

気候は太平洋側気候に属し、冬は北西の季節風が強く、晴天が続いて空気が乾燥します。夏は内陸特有の高温になりやすく、県北部の熊谷市では2018年7月23日に国内観測史上最高となる41.1度を記録しました。西部の秩父地方は盆地特有の寒暖差が激しい気候で、冬季には南岸低気圧の影響で30cm前後の積雪になることも珍しくありません。

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Access

埼玉県へのアクセス

埼玉県への玄関口となるのは大宮駅です。東京駅からJR上野東京ラインまたは湘南新宿ラインで約30分、東北・上越・北陸新幹線を利用すれば約25分で到着します。羽田空港からはリムジンバスで大宮駅まで約1時間30分、成田空港からはJR成田エクスプレスと新幹線を乗り継いで約2時間が目安。

県内の鉄道網は充実しており、JR各線のほか東武東上線、西武池袋線、埼玉高速鉄道、つくばエクスプレスなど複数の私鉄が東京都心と県内各地を結んでいます。川越へは池袋駅から東武東上線の急行で約30分。秩父方面には池袋駅から西武特急で約80分、秩父鉄道に乗り換えれば長瀞や三峯神社方面へもアクセスできます。

都市部は公共交通機関だけで十分に移動できますが、秩父の山間部や県北部の観光地を効率よく回りたい場合はレンタカーの利用が便利です。冬季の秩父方面では路面凍結に注意が必要な場合があります。

地元自慢

特産品

埼玉県は関東平野の肥沃な土壌と温暖な気候を背景に、古くから農業が盛んな地域です。平地が広く首都圏の大消費地に近いため近郊農業が発達し、根菜類や葉物野菜を中心に出荷量で全国上位を占める品目が複数あります。武蔵野台地では古くから小麦栽培が根づき、うどんをはじめとする粉食文化が今も息づいているのが特徴。西部の丘陵地帯では茶の栽培が続けられ、寒冷な気候がもたらす肉厚の茶葉は独特の味わいで知られてきました。伝統工芸の分野でも、桐材や良質な水に恵まれた地域で人形づくりや手漉き和紙の技術が受け継がれています。

食べ物

  • 深谷ねぎ

    食べ物

    深谷ねぎ

    埼玉県北部の深谷市を中心に栽培される白ねぎで、糖度は10〜15度にもなり、果物に匹敵する甘さが持ち味です。明治30年頃から本格的な栽培が始まり、加熱するととろけるような食感に変わるため、鍋料理や焼きねぎとして高い評価を受けています。

  • 狭山茶

    食べ物

    狭山茶

    入間市、所沢市、狭山市を中心に生産される日本茶で、静岡茶、宇治茶と並ぶ日本三大茶のひとつに数えられます。茶の栽培が産業として成り立つ北限付近に位置するため葉肉が厚く、仕上げに行う狭山火入れという独自の焙煎技法が濃厚な味と香ばしさを引き出します。

  • 草加せんべい

    食べ物

    草加せんべい

    草加市で江戸時代から作り続けられている堅焼きの米菓です。国産うるち米100%の生地を押し瓦で焼き上げ、醤油を塗る製法が特徴で、パリッとした歯ごたえと米の香りが口に広がります。2006年には農林水産省の本場の本物第1号に認定されました。

  • 川越のいも菓子

    食べ物

    川越のいも菓子

    江戸時代、川越産のさつまいもは新河岸川の舟運で江戸に運ばれ、焼きいもブームの立役者となりました。九里四里うまい十三里という洒落で親しまれた歴史を持ち、現在もいもようかんやいもチップスなど多彩ないも菓子が川越の菓子屋横丁を中心に並んでいます。

  • 五家宝

    食べ物

    五家宝

    熊谷市の銘菓で、文政年間に中山道の宿場町で売り出されたのが始まりです。おこし種を水飴で棒状に固めた芯をきな粉の皮で巻き、さらにきな粉をまぶした素朴な仕上がり。五穀は家の宝であるという祈りを込めて名づけられ、2022年には文化庁の100年フードにも認定されました。

  • 武蔵野うどん

    食べ物

    武蔵野うどん

    武蔵野台地一帯で受け継がれてきた郷土料理で、大河川がなく米作が難しかった地域の小麦文化から生まれました。加水率が低い太めの麺はコシが非常に強く、冷水で締めた麺をかつおだしベースの温かい肉汁につけて食べるのが定番です。

  • 秩父味噌

    食べ物

    秩父味噌

    秩父地方の寒冷な気候と清らかな水を活かして仕込まれる味噌で、大豆と米麹を主原料に長期熟成させます。山間部の厳しい冬がゆっくりとした発酵を促し、深いコクとまろやかな風味を生み出しているのが特徴。秩父地域では味噌漬けや味噌だれなど日常の食卓に欠かせない存在です。

  • しゃくし菜漬け

    食べ物

    しゃくし菜漬け

    秩父地方で古くから作られてきた漬物で、正式名称は雪白体菜といいます。葉の形がしゃもじに似ているのが名前の由来。塩漬けにするとシャキシャキとした歯切れの良い食感になり、油で炒めても風味が増すため、おにぎりの具や炒め物として親しまれています。

工芸品・その他

  • 岩槻人形

    工芸品・その他

    岩槻人形

    さいたま市岩槻区で約370年にわたり作り続けられている伝統工芸品で、2007年に経済産業大臣から国の伝統的工芸品に指定されました。日光東照宮の造営に携わった工匠たちが岩槻に住み着き、地元産の桐材を用いて人形づくりを始めたのが起源。頭師、手足師、着せつけ師など複数の職人による分業制が特徴で、ひな人形や五月人形を中心に全国有数の生産量を誇ります。

  • 小川和紙

    工芸品・その他

    小川和紙

    比企郡小川町と秩父郡東秩父村で1300年以上にわたり漉かれてきた手漉き和紙です。なかでも国産こうぞのみを原料とする細川紙の技術は、2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。強じんで保存性が高く、書道用半紙や版画紙のほか、ヨーロッパの美術館では絵画修復にも用いられています。

Through the ages

埼玉県の歴史

埼玉県の大部分はかつて武蔵国に属していました。古代の武蔵国は現在の埼玉県全域、東京都、神奈川県東部にまたがる広大な領域で、律令制下では大国に分類されています。行田市に残るさきたま古墳群は5世紀から7世紀にかけて築かれた大型古墳の密集地帯で、稲荷山古墳から出土した金錯銘鉄剣には115文字の銘文が刻まれていました。そこに記されたワカタケル大王の名は雄略天皇に比定され、5世紀後半にはすでに大和政権の影響力が関東に及んでいたことを裏づける一級資料。この古墳群は2020年、埼玉県初の特別史跡に指定されました。

戦国時代には後北条氏が武蔵国の大部分を支配し、川越城や忍城が軍事拠点として整備されます。1590年の豊臣秀吉による小田原征伐の際、忍城は石田三成の水攻めに耐え抜いた城として名を残し、後に小説「のぼうの城」の題材にもなったほど。徳川家康の関東入国後、川越藩には酒井氏をはじめ幕閣の重臣が次々と配置され、知恵伊豆と呼ばれた松平信綱は城の大改築や玉川上水の開削を主導しました。江戸との間を新河岸川の舟運が結び、川越は小江戸と称されるほどの繁栄を見せています。

明治4年の廃藩置県により、武蔵国北部には川越県、忍県、岩槻県などが置かれ、同年11月14日にこれらが統合されて埼玉県が誕生しました。県名は当初県庁を置く予定だった岩槻の属する埼玉郡から取られたもの。埼玉の地名はさらに古く、行田市のさきたま古墳群周辺にあった前玉にさかのぼるもので、奈良時代には既に埼玉の表記が文献に登場しています。県庁は岩槻に適当な建物がなかったため浦和に置かれ、1876年に旧入間県の地域が編入されて現在の県域が確定しました。

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