群馬県

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Gunma

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群馬県の概要

世界遺産の富岡製糸場から日本有数の名湯・草津温泉、本州最大の高層湿原・尾瀬まで、群馬県は多彩な見どころが山と平野の両方に散らばっています。東京から新幹線で約50分というアクセスの良さもあり、日帰りから温泉宿での長逗留まで、旅のスタイルを自在に組み立てられるのが群馬の魅力でしょう。

富岡製糸場と絹産業遺産群

A long industrial textile spinning machine with green rotors and many spindles.

2014年にユネスコ世界遺産に登録された富岡製糸場は、1872年に明治政府がフランス人技師ポール・ブリュナの指導のもとで建設した官営の器械製糸工場です。繰糸所は全長約140メートルの木骨レンガ造りで、内部に柱を一本も使わないトラス構造を採用し、300釜のフランス式繰糸器が並ぶ大空間を実現しました。操業当時、これほどの規模の製糸工場は世界に例がなく、日本産の生糸の品質を国際水準に引き上げた功績が評価されています。

1987年に操業を停止した後も片倉工業が「売らない、貸さない、壊さない」の方針で建物を守り続けたおかげで、創業当時の姿をほぼそのまま見学できます。構成資産には田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴も含まれ、養蚕から製糸までの絹産業の全体像をたどることができるのも特徴です。

草津温泉

Steaming turquoise hot spring with a wooden water flume in a rocky landscape.

毎分32,300リットル以上という自然湧出量日本一を誇る草津温泉は、有馬温泉・下呂温泉とともに日本三名泉に数えられています。温泉街の中心にある湯畑では、毎分約4,000リットルの源泉が湧き出し、7本の木樋を流れるあいだに自然冷却される仕組み。水で薄めることなく源泉そのものに浸かれるのが草津の誇りです。

泉質はpH2.1前後の強酸性で殺菌力が高く、古くから皮膚病や神経痛の湯治場として武将や文人に愛されてきました。湯畑を囲む石柵には源頼朝や前田利家など、草津を訪れた歴史上の人物の名が刻まれています。高温の源泉を板でかくはんして適温まで下げる湯もみは草津ならではの伝統で、掛け声に合わせて板を動かす体験は観光客にも開放されています。

尾瀬

A wooden boardwalk winds through a vibrant green marshland with a lake reflecting mountains under a clear sky.

群馬県片品村を主な入口とする尾瀬は、福島・栃木・新潟の4県にまたがる国立公園で、本州最大の高層湿原である尾瀬ヶ原と火山堰止湖の尾瀬沼を中心に約37,000ヘクタールの面積を有しています。5月下旬から6月上旬にかけてミズバショウが湿原を白く染める光景は、この地を象徴する風景です。

夏にはニッコウキスゲやワタスゲが咲き誇り、秋の草紅葉もまた格別。自動車道は通じておらず、鳩待峠や大清水といった登山口から木道を歩いて入山するスタイルが守られています。手つかずの自然を歩く静けさのなかで、ツキノワグマやイワナといった生きものの気配を感じる体験は、都市の喧騒を離れた群馬の山奥だからこそ味わえるもの。

伊香保温泉と石段街

Steaming hot spring water in a stone channel and pool beside a large, snow-dusted stone staircase.

渋川市の山間に位置する伊香保温泉は、万葉集にもその名が登場する古湯です。温泉街のシンボルは全365段の石段街で、戦国時代に武田勝頼が負傷兵の湯治場として整備を命じたのが始まりとされています。

石段の下には黄金の湯と呼ばれる鉄分を含んだ茶褐色の源泉が流れ、小間口から各旅館へ分湯される仕組みが今も現役で機能しているのは驚きでしょう。石段の途中には与謝野晶子の詩が刻まれ、射的や駄菓子屋が並ぶ風情はどこか懐かしさを誘います。1年365日の賑わいを願って段数を365に定めたという逸話も残り、石段を登りきった先の伊香保神社から望む温泉街の眺めは、散策の締めくくりにふさわしい景色です。

位置

群馬県の場所

群馬県は関東地方の北西部に位置し、県庁所在地は前橋市です。2024年10月時点の人口は約189万人で、全国では18位前後にあたります。面積は約6,362平方キロメートルで全国21位。県土の約67%を森林が占め、北部から西部にかけては2,000メートル級の山々が連なる一方、南部には関東平野が広がります。栃木県・埼玉県・長野県・新潟県・福島県に囲まれた内陸県で、海に面していません。

県の中央を日本最大の流域面積を持つ利根川が貫き、古くから「坂東太郎」の異名で親しまれてきたこの大河は、県内の水利用や農業を支える大動脈となっています。北西部の谷川岳や尾瀬周辺は日本有数の豪雪地帯である反面、南部の平野は年間を通じて日照時間が長く、水はけのよい土壌に恵まれた農業地帯です。

気候面では夏と冬の寒暖差が激しいのが特徴でしょう。夏は前橋市や伊勢崎市を中心にフェーン現象の影響で気温が40度近くまで上がる日もあり、全国有数の酷暑地帯として知られています。冬になると北西の季節風が山を越えて吹き下ろし、乾燥した冷たい強風が平野部を駆け抜けます。赤城おろし、榛名おろしとも呼ばれるこの風は上州名物のからっ風で、上毛かるたに「雷と空風 義理人情」と詠まれるほど、県民の暮らしに深く根づいたもの。降雪は平野部では少ないものの、風による体感温度の低下は厳しく、砂埃が舞い上がって空を黄色く染める日もあります。

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Access

群馬県へのアクセス

東京方面からのアクセスは上越新幹線が便利で、東京駅から高崎駅まで約50分で到着します。高崎駅は上越新幹線と北陸新幹線の分岐点にあたり、JR各線や私鉄への乗り換え拠点としても機能しています。在来線では湘南新宿ラインや上野東京ラインを使って高崎や前橋へ向かうこともでき、時間に余裕があれば乗り換えなしで都心とつながります。羽田空港や成田空港からは、まず東京駅や上野駅へ出てから新幹線に乗り継ぐのが一般的なルートでしょう。

県内の移動は行き先によって手段が大きく異なります。高崎・前橋など南部の都市間はJR両毛線や上毛電鉄などの鉄道で移動できますが、草津温泉や伊香保温泉、尾瀬といった山間部の観光地へはバスの乗り継ぎが必要になる場合が多く、本数も限られます。複数のエリアを効率よくまわりたいなら、レンタカーの利用を検討してみてはいかがでしょうか。高崎駅や前橋駅周辺にはレンタカー店が集まっており、そこを拠点に県内各地へ足を延ばせます。

冬季は北部や西部の山間地で積雪量が多く、道路の凍結にも注意が必要です。草津温泉や谷川岳方面へ車で向かう場合はスタッドレスタイヤやチェーンの準備が欠かせません。一方、南部の平野部は降雪こそ少ないものの、からっ風による強風や路面の砂埃に注意してください。

地元自慢

特産品

群馬県は関東平野の肥沃な土壌と豊富な日照に恵まれ、古くから小麦の一大産地として粉食文化を育んできました。標高差の大きい地形を活かした農業も盛んで、高冷地では夏秋野菜の栽培が全国トップクラスの規模を誇ります。火山灰を含む水はけのよい山麓地帯では、独自の根菜類や果実の栽培も発達しました。畜産分野でも、利根川水系の清流と山間の放牧環境を活かした肉牛の飼育に長い歴史があり、質の高い牛肉を首都圏へ出荷してきた実績があります。養蚕業が盛んだった時代に培われた繊維技術は伝統工芸として今も受け継がれ、絹織物やだるまなどの手工芸品は群馬を象徴する産品のひとつ。温泉地の多い県でもあり、地域ごとの食文化と結びついた郷土料理が数多く残っています。

食べ物

  • こんにゃく

    食べ物

    こんにゃく

    群馬県はこんにゃく芋の収穫量が全国の9割以上を占める、文字通りの産地です。赤城山麓に広がる火山灰土壌と水はけのよい緩斜面が栽培に適しており、昭和村や渋川市を中心に生産が続いています。刺身こんにゃくや田楽など、素材の食感を活かした食べ方が地元では定番となっています。

  • 下仁田ねぎ

    食べ物

    下仁田ねぎ

    群馬県南西部の下仁田町周辺でのみ本来の品質に育つ、太くて短い独特の姿をした伝統野菜です。生のままでは辛みが強いものの、加熱するととろりとした食感に変わり、濃厚な甘みが引き出されます。江戸時代には大名への贈答品に用いられ、殿様ねぎの別名でも知られています。

  • 嬬恋キャベツ

    食べ物

    嬬恋キャベツ

    浅間山麓の標高1,000メートルを超える高冷地で栽培される夏秋キャベツで、全国流通量の過半数を群馬県が占めています。昼夜の寒暖差と火山灰由来の黒ボク土が甘みの強い葉を育て、6月下旬から11月上旬にかけてシーズンを迎えます。嬬恋村では約320軒の農家がキャベツ栽培に携わり、その出荷量は50年以上にわたって日本一を維持してきました。

  • 上州牛

    食べ物

    上州牛

    利根川水系の清流と上毛三山に囲まれた環境で育てられるブランド牛です。明治時代初期から肉牛の生産が始まり、きめ細やかな肉質とほどよい脂のうまみが特徴とされています。厳格な衛生管理のもとで飼育され、海外への輸出も行われています。

  • 水沢うどん

    食べ物

    水沢うどん

    渋川市伊香保町の水澤寺門前で400年以上の歴史を持つ手打ちうどんで、讃岐うどん・稲庭うどんと並んで日本三大うどんのひとつに数えられています。地元産の小麦と水沢の湧水だけで打たれる麺は、透き通るような白さと強いコシが持ち味。冷たいざるうどんで供されることが多く、しょうゆたれやごまだれで味わいます。

  • 焼きまんじゅう

    食べ物

    焼きまんじゅう

    小麦粉と麹で発酵させたふわふわの生地を竹串に刺し、甘辛い味噌だれを塗って香ばしく焼き上げる群馬の郷土料理です。江戸時代末期の前橋が発祥とされ、農林水産省の郷土料理百選にも選ばれています。焼きたてでなければ固くなってしまうため、屋台や店先でアツアツをほおばるのが地元流の楽しみ方です。

  • おっきりこみ

    食べ物

    おっきりこみ

    幅広の生麺を季節の野菜やきのこと一緒に煮込む、群馬の家庭料理の代表格です。塩を使わない生地から溶け出す打ち粉が汁にとろみをつけ、体を芯から温めてくれます。山間部では味噌仕立て、平野部では醤油仕立てと、地域ごとに味付けが異なるのも面白いところ。

  • 梅

    食べ物

    梅

    高崎市の榛名・箕郷地区を中心に、群馬県の梅の収穫量は和歌山県に次ぐ全国第2位、東日本では最大の規模を誇ります。主力品種の白加賀は大粒で果肉が厚く、梅干しや梅酒、梅ジュースの原料として評価が高いもの。榛名山南麓には約20万本の梅が植えられ、春には一面の白い花が広がります。

工芸品・その他

  • 桐生織

    工芸品・その他

    桐生織

    奈良時代から1,300年以上の歴史を持つ絹織物で、経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。関ヶ原の戦いでは徳川軍に旗絹を一日で大量に織り出したという逸話が残り、江戸時代以降は西の西陣、東の桐生と並び称されました。先染め紋織りやお召織など7つの技法が受け継がれ、着物から帯、ネクタイ、ストールまで幅広い製品が生み出されています。

  • 高崎だるま

    工芸品・その他

    高崎だるま

    年間約90万個を生産し、全国の張り子だるまの約8割を占める一大産地が高崎市の豊岡・八幡地区です。江戸時代後期、浅間山の大噴火による飢きんを救うため少林山達磨寺の住職が農民に副業として作らせたのが始まりとされています。冬に吹くからっ風が紙の乾燥に適しており、養蚕農家が七転び八起きの縁起物として大切にしてきた歴史もあります。

Through the ages

群馬県の歴史

群馬県一帯はかつて毛野国と呼ばれ、やがて上毛野国、律令制のもとで上野国へと名前を変えました。古墳時代には東国文化の中心地として栄え、県内で確認された古墳の数は1万3,000基を超えます。太田市の天神山古墳は全長210メートルと東日本最大の前方後円墳で、200メートル級の前方後円墳が東日本に存在するのは群馬だけ。国宝・重要文化財に指定された埴輪のうち、相当数が群馬から出土しているという事実は、この地がいかにヤマト王権との結びつきを強めていたかを物語っています。5世紀後半には馬の生産が始まり、これが上野国の軍事的・経済的な価値を高めました。奈良時代に「車郡」が「群馬郡」へ改められた背景には、馬が群れる豊かな土地というイメージがあったとされています。

中世に入ると新田義貞が鎌倉幕府打倒の旗を挙げた地として知られますが、南北朝の混乱を経て山内上杉氏が守護として上野を治めるようになりました。戦国時代には甲斐の武田氏、越後の上杉氏、相模の北条氏が上野を舞台に三つ巴の争奪戦を繰り広げ、地元の武士たちはそのたびに離合集散を繰り返しました。豊臣秀吉による小田原征伐で北条氏が滅びると、上野は徳川家康の領地に組み込まれ、江戸時代には前橋藩・高崎藩・沼田藩など9つの藩が分立しています。

明治維新を迎えると、1871年の廃藩置県で一時は高崎県の名が定められましたが、前橋藩と高崎藩の対立を収めるため、わずか3日後に両地域を含む群馬郡の名をとって群馬県へ改称されました。近代の群馬を語るうえで外せないのが養蚕と絹産業の隆盛です。1872年に富岡製糸場が操業を開始すると、世界最大規模の器械製糸工場として日本の近代化を牽引し、その技術は全国各地の製糸場へ広がっていきました。桐生織や養蚕農家のだるま文化とあわせ、絹の国としての記憶は今も県の誇りとして息づいています。

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