
岐阜県
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岐阜県の概要
北部の飛騨地方には合掌造りの集落や城下町が山あいに佇み、南部の美濃地方では清流と歴史あるものづくりの文化が息づく岐阜県。世界遺産の白川郷、1,300年以上続く鵜飼い、名湯・下呂温泉と、日本の原風景に出会える場所が県内に点在しています。
白川郷

白川郷は飛騨地方の山深い谷あいに位置し、1995年に五箇山(富山県)とともにユネスコ世界文化遺産に登録されました。急勾配の茅葺き屋根を持つ「合掌造り」の家屋が約60棟残る荻町集落は、今も住民が暮らす生きた集落。田んぼや畑に囲まれた茅葺きの家々が並ぶ風景は、日本の農村の原風景として国内外の旅行者を魅了し続けています。
展望台から見下ろす集落全体の眺めは季節ごとに表情を変え、水田に緑が映る夏、紅葉に包まれる秋、そして雪に埋もれる冬は特に印象的です。冬季の夜間ライトアップでは、雪を載せた合掌造りが幻想的に浮かび上がり、一年でもっとも人気の高い時期。集落内には合掌造りの内部を見学できる施設や郷土料理を味わえる食事処もあり、建物を外から眺めるだけでなく、その暮らしの知恵に触れることもできます。
飛騨高山

「飛騨の小京都」と呼ばれる高山市は、江戸時代の城下町の面影を色濃く残す町。さんまち通りを中心とした古い町並みには、格子戸の商家や造り酒屋が軒を連ね、醤油や味噌の香りが漂います。朝市は高山を代表する風景のひとつで、宮川沿いと陣屋前の2か所で毎朝開かれ、地元の農産物や漬物、民芸品が並びます。
春と秋の年2回行われる高山祭は、日本三大美祭のひとつに数えられる華やかな祭礼です。精巧なからくり人形を載せた豪華な屋台が町を巡行し、夜には提灯の灯りに照らされた屋台が幻想的な雰囲気を醸し出します。高山祭の屋台はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、祭り以外の時期でも高山祭屋台会館で実物を間近に見ることができます。
長良川の鵜飼い
岐阜市を流れる長良川では、毎年5月から10月にかけて鵜飼いが行われています。鵜匠がかがり火を焚いた舟の上で鵜を操り、鮎を捕らえる漁法は1,300年以上の歴史を持つ伝統漁。宮内庁の御料鵜飼いでもあり、長良川の鵜匠は正式には「宮内庁式部職鵜匠」という国家公務員の身分を持つ、日本でも特異な存在です。
観覧船に乗って川面から見る鵜飼いは、かがり火の炎が川面に映り、鵜匠の掛け声が響く迫力ある体験。織田信長もこの鵜飼いを好み、来客のもてなしに使ったと伝わっています。チャールズ・チャップリンは2度にわたって鵜飼いを見物し、「ワンダフル」と称賛したというエピソードも。古い歴史を持ちながら、今も毎夏繰り返される生きた伝統です。
下呂温泉

飛騨川沿いに温泉街が広がる下呂温泉は、有馬温泉(兵庫県)、草津温泉(群馬県)と並ぶ「日本三名泉」のひとつ。その歴史は平安時代にさかのぼるとされ、室町時代の五山僧・万里集九が書物のなかで天下の三名泉として紹介したことでも知られています。
泉質はアルカリ性単純温泉で、なめらかな肌触りから「美人の湯」とも呼ばれています。温泉街には旅館やホテルのほか、気軽に立ち寄れる足湯や日帰り温泉も充実。飛騨川のせせらぎを聞きながらの散策や、温泉寺からの温泉街の眺望も楽しめます。JR高山本線で名古屋と高山のちょうど中間に位置するため、飛騨観光の途中に立ち寄りやすい温泉地です。
位置
岐阜県の場所
岐阜県は本州のほぼ中央、中部地方に位置する内陸県です。県庁所在地は岐阜市で、2020年10月の国勢調査時点で人口は約197万人。県の面積は全国7位の広さで、北部の飛騨地方と南部の美濃地方で大きく性格が異なります。飛騨地方は3,000m級の山々が連なる山岳地帯、美濃地方は木曽川・長良川・揖斐川の木曽三川が流れる濃尾平野の一部を占める平野部が広がっています。
気候は北部と南部で大きな差があります。飛騨地方は日本海側の影響を受けて冬の積雪が非常に多く、白川村や高山市の山間部は豪雪地帯に指定されています。一方、美濃地方は太平洋側の気候で夏は高温多湿。多治見市は2007年に国内最高気温40.9°Cを記録したこともあり、夏の暑さで知られる地域です。
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Access
岐阜県へのアクセス
岐阜県には空港がありませんが、名古屋の中部国際空港(セントレア)が最寄りの空港として利用できます。セントレアから名鉄とJRを乗り継いでJR岐阜駅まで約1時間です。
鉄道では、東海道新幹線の岐阜羽島駅が県南部にあり、東京から約2時間、名古屋からは約10分でアクセスできます。ただし岐阜羽島駅は市街地から離れているため、名古屋駅でJR東海道本線に乗り換えてJR岐阜駅へ向かうルートが一般的。名古屋からJR岐阜駅までは快速で約20分です。飛騨方面へはJR高山本線の特急「ひだ」を利用し、名古屋から高山まで約2時間30分。
高速バスは名古屋、東京、大阪方面から岐阜市や高山市への路線が運行されています。白川郷へは高山からの路線バスや、名古屋から直通の高速バスが便利です。
県内の移動は鉄道と路線バスの組み合わせが基本。飛騨地方ではバスの本数が限られるため、事前に時刻表を確認しておくと安心です。高山市内は古い町並みや朝市など主要スポットが徒歩圏にまとまっています。白川郷は高山からバスで約50分。下呂温泉へはJR高山本線で名古屋から約1時間30分、高山から約45分。
冬季は飛騨地方で積雪が多くなります。高山本線が雪の影響でダイヤが乱れることもあるため、冬の飛騨方面への旅行には余裕を持ったスケジュールで。白川郷は冬のライトアップが人気ですが、完全予約制のためアクセス方法を含めて事前の手配が必要です。
地元自慢
特産品
岐阜県は山と川に恵まれた県で、北部の飛騨地方ではブランド牛の飼育や高冷地野菜の栽培がさかんです。清流として名高い長良川をはじめ、県内を流れる河川は鮎の名産地。南部の美濃地方では柿や栗などの果樹栽培が盛んで、富有柿の生産量は全国でもトップクラスです。
ものづくりの伝統も岐阜県の大きな特徴。美濃焼は全国の陶磁器生産の半分以上を占め、関市は鎌倉時代から続く刃物の一大産地として世界的に知られています。美濃和紙はユネスコ無形文化遺産にも登録された伝統工芸で、飛騨地方には春慶塗や一位一刀彫といった木の文化に根ざした工芸品が今も受け継がれています。
食べ物
工芸品・その他
Through the ages
岐阜県の歴史
岐阜県の地域は古くから美濃国と飛騨国の二国に分かれていました。東山道の要衝として人や物資が行き交い、特に美濃国は「美濃を制する者は天下を制す」と言われるほど軍事・交通の要所。飛騨国は良質な木材の産地で、奈良時代には飛騨の匠が都の寺社建築に駆り出されたことが記録に残っています。
戦国時代、この地は天下統一の舞台となります。織田信長は1567年に稲葉山城を攻め落とし、中国の故事にちなんで城下の地名を「岐阜」と改めました。「天下布武」の印を用いて天下統一への意志を示したのもこの岐阜の地です。1600年には関ヶ原の戦いが美濃国で繰り広げられ、徳川家康率いる東軍が勝利。日本の歴史の大きな転換点が、この県内で生まれました。
明治の廃藩置県では美濃国の各藩と飛騨国が統合され、1876年に現在の岐阜県が成立しました。近代以降、美濃地方では陶磁器(美濃焼)や刃物(関市)などの製造業が発展。飛騨地方では豊かな森林資源を生かした木工業や、大正時代以降の電源開発が地域経済を支えてきました。
旅の準備