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日本の「バレンタインデー」はチョコレートの日!?文化的背景とイベント紹介

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Sana Yoshida

日本の「バレンタインデー」はチョコレートの日!?文化的背景とイベント紹介

世界的にはキリスト教の祝日であり、家族や恋人との愛を祝う日であるバレンタインデー。キリスト教圏でない日本においては、「女性から男性にチョコレートを贈る日」として根付き、現在では「ショコラティエのお祭り」や「推し活における人気イベント」として盛り上がりを見せています。この記事では、独自の発展を遂げた日本のバレンタインについてご紹介します。

日本のバレンタインは「チョコレート」を贈る日

日本において、「バレンタインは女性が好きな男性にチョコレートを贈る日」として定着しました。これは1950年代頃、2月に売り上げが落ち込んでいたお菓子メーカーの企画・宣伝によるものだと言われています。

この時代は「男性から女性へ告白するべき」という風潮が強く、女性から告白することは多くありませんでした。そこに「女性から男性にチョコレートを贈る愛の日」というイベントが登場したことで、女性たちが勇気を出すきっかけとして広まっていったのです。

元々は夫婦・恋人間でのイベントとされていましたが、1980年頃になると、学生などにもバレンタイン文化が定着し、人気アイドルやスポーツ選手、アニメやゲームのキャラクター宛にチョコレートを贈るファンも増えてきます。

チョコレートにまつわる言葉も誕生

An assortment of colorful mini tarts with various toppings displayed on a wooden board and a cooling rack.

Handmade Chocolate tart / Photo AC

それに伴い、1月から2月にかけてチョコレートの売り上げが増加。昨今では「愛の日」というよりは「チョコレートの日」といった雰囲気になっています。

本命チョコ(Honmei Choco)

恋人や意中の相手に贈るチョコレートです。

若者の間では、この後紹介する義理チョコや友チョコに紛れて「本命チョコを誰に渡すか?」という話題で盛り上がることも珍しくありません。

本命チョコには、気持ちのこもった手作りのお菓子や、綺麗にラッピングされたちょっといいチョコレートを贈るのが一般的です。

義理チョコ(Giri Choco)

お世話になった人や知人・同僚・クラスメイトなどに贈るチョコレートです。

「義理」という言葉には「社会的、人間関係において守るべき礼儀」的な意味が含まれていますが、ここでは「社交辞令的な付き合いで仕方なく」という意味合いが強いです。

少々突き放すような印象もありますので、例え義理チョコであっても、「義理チョコです」と相手に伝えることは少ないです。ただし、異性同士の友人間では勘違いを避けるために「義理チョコ」と宣言して渡すことも多いでしょう。

友チョコ(Tomo Choco)

友人(主に同性間)で贈りあう友情表現としてのチョコレートです。恋愛感情はなく、親愛の証としてプレゼントすることが目的です。

逆チョコ(Gyaku Choco)

男性から女性に贈るチョコレートのことです。本来は「逆」という概念は無いはずですが、日本では「バレンタインデー=女性から男性にチョコレートを贈る日」として定着しているためこのように表現します。

チョコレート業界が様々なラインを展開

バレンタインの時期になると本命向けの高級なチョコレートから義理チョコ用の手頃かつ大容量のもの、手作り用のキットや材料まで、多彩なチョコレートが売り場に並びます。

ただし、職場などで義務的に行われる「義理チョコ」は贈る側・貰う側ともに負担が生じることから、否定的な人も増えています。その代わりに、自分用のチョコレートを購入する人が年々増加。百貨店の催事を中心に、世界的パティシエによるチョコレート、期間限定の商品が登場することもあり、チョコレートファンにとっては年間を通して最大のお祭りとなっています。

バレンタインのお返しをする「ホワイトデー」

Multiple teal gift boxes with white ribbons, next to a sprig of white flowers.

Image of White Day's Gift boxes / Photo AC

日本独特の「ホワイトデー」はバレンタインデーの1か月後である3月14日に、バレンタインにチョコレートを貰った男性が、女性へお礼の贈り物をする日です。

バレンタインデーが主にチョコレートがメインの贈り物であるのに対し、ホワイトデーはお菓子全般や女性が好む雑貨のプチギフトなど、範囲が広いです。

しかしこのホワイトデー、バブル期には「3倍返し(貰った物の3倍程度の価値で返す)」の概念が根付いており、オフィスで女性社員が男性社員に「ホワイトデーのお返し目的」でチョコレートを配ることも多々ありました。こういったことから、今ではバレンタインデーに贈る方、贈られる方どちらの負担にもなるので、会社で義理チョコを配る文化は現代においては廃れつつあります。

しかし、ホワイトデー自体は今も日本国民の間でバレンタインデーとは別の「愛の日」として根付いています。

世界中のチョコレートが集結するバレンタインフェア

日本では、1月から2月にかけて、全国各地で「バレンタインフェア」が開催されます。贈り物にしやすい箱入りの商品はもちろん、ケーキやアイス、ドリンクなどもあり、人気店には行列ができます。百貨店などでは、開店前から整理券を求めて並ぶお客さんもいるほどなんですよ。

※2026年1月現在の情報です。

サロン・デュ・ショコラ(伊勢丹/新宿ほか)

1995年にパリで始まったイベントで、世界最大のチョコレートの祭典です。日本では2002年に老舗百貨店・伊勢丹によって初めて開催され、20年以上続く大人気イベントとなりました。国内の伊勢丹グループ各店で開催されています。

2026年の伊勢丹新宿店には過去最多153ブランドが集結。海外のショコラティエが来場することもあり、ファンが新作購入と合わせて記念撮影や会話を楽しんでいます。

銀座/銀座スイーツコレクション(銀座三越)

担当バイヤーが厳選した約50ブランドが並びます。限定商品や初出店のブランド、実演販売の商品、直輸入商品も多く、ここでしか買えないチョコレートに出会うことができます。

HILLS SWEETS SELECTION(麻布台ヒルズ・六本木ヒルズ・虎ノ門ヒルズ)

日比谷線でつながる3つのヒルズにまたがって開催されるバレンタインイベントです。麻布台ヒルズ・六本木ヒルズ・虎ノ門ヒルズ内の約80店舗が参加し、スイーツやドリンクを提供します。レストランやカフェが提供するパフェ、ケーキ、アフタヌーンティーなど、イートイン商品が充実しているのが特徴です。

バレンタインチョコレート博覧会(阪急百貨店 / 大阪)

2026年は国内外の約350ブランドが集結し、多彩なチョコレートを販売します。チョコレートとコーヒーのマリアージュを楽しむ企画や47都道府県の素材を使った商品、チョコレートの原料であるカカオに着目したスイーツなどが出展されます。

名古屋 ほか/アムール・デュ・ショコラ(タカシマヤ)

2001年にジェイアール名古屋タカシマヤで初開催され、現在では日本全国の高島屋で開催されているイベントです。タカシマヤ限定商品が多いのに加え、全国の各店舗に担当者がおり、個性的な売り場づくりをしています。名古屋店ではショコラティエによるデモンストレーション、トークショー、ワークショップなど、体験型イベントが開催されるのも特徴です。

オタク界隈におけるバレンタイン

バレンタインは、アニメや漫画、ゲームファン、芸能人のファンにとっても人気のイベントです。チョコレートを購入する以外にも様々な楽しみ方があるので、簡単にご紹介します。

バレンタイン限定イラストやグッズが人気

漫画・アニメでは、キャラクターがチョコレートを贈っているイラストが描きおろされたり、チョコレートや薔薇、ハートといったモチーフのグッズが発売されたりします。バレンタインの催事コーナーには人気キャラクターのコラボチョコレートも多く、パッケージの可愛さ、ノベルティのクオリティの高さが話題になることも。子供に人気のファンシーなキャラクターから漫画・アニメまで幅広い商品が販売されます。

また、『テニスの王子様(テニプリ)』では昭和のアイドル・国生さゆりの「バレンタイン・キッス」をキャラクターがカバーするのが恒例となっており、2004年2月14日に跡部景吾バージョンが発売されて以来、様々なキャラクターによるカバーシングルが22年連続(2026年現在)でリリースされています。

バレンタインをテーマにしたリアルイベント

歌手・アーティストがバレンタインソングを発売したり、アイドルや俳優、声優をはじめとする芸能人がファンクラブ向けのイベントやライブ、企画番組・配信を行ったりする場合があります。ライブやFCイベントでは来場者特典やプレゼント企画の開催、バレンタイン衣装の披露などもあり、ファンにとっては見逃せない現場となっています。番組や配信では、チョコレートをはじめとするスイーツづくりに挑戦する様子を見ることができたり、ファンとコミュニケーションをとる時間があったりと、いつも以上に距離が近く感じられるのも特徴です。

漫画やゲーム公式が主導するイベント・企画

ソーシャルゲームにおいてはバレンタイン限定カードキャラクター、ボイス追加、期間限定イベントが開催されることも多く、好きなキャラクターとの親愛度を高める体験ができます。イベント内でキャラクターに贈り物を渡す・もらうことができるゲームでは、キャラクターごとに異なる態度やシチュエーションを楽しみにしているファンが多数います。

漫画雑誌やアニメ系メディアでは、バレンタインに合わせたキャラクターの人気投票、応募者サービスといった企画が開催されることも多いほか、書店やアニメショップで「バレンタインフェア」として購入者プレゼントが行われることもあります。

手作りだからできる工夫やこだわり満載のスイーツ

漫画やアニメファンの中には、好きなキャラクターを大胆にデザインにした「痛チョコ」や「痛ケーキ」、キャラクターのモチーフや好物をテーマにした「概念スイーツ」、作中で登場したメニューを手作りする人もいます。

近年ではスーパーなどの製菓コーナーだけではなく、100円均一ショップでもお菓子作りの材料が売られています。カラフルなキャラクターを表現するのに欠かせないものの、大量には必要ない食紅なども100円で購入できるので便利です。

推しをイメージしたチョコレートの購入や交換

推しのメンバーカラー、推しイメージのチョコレートを購入して食べる・オタク友達と交換するのも、オタクならではのバレンタインの楽しみ方です。バレンタインの催事に並ぶチョコレートはパッケージも中身も凝ったデザインのものが多いため、「このチョコレートはこういうところが推しっぽい」という話で盛り上がることができますよ。

チョコレートを推しに贈ることができるジャンルも

バレンタインフェアの催事に行くと、美味しそうなチョコレートが並んでおり、「推しに贈りたい!」と思う人も多いでしょう。公式・事務所によっては、チョコレートをはじめとするプレゼントの送付が可能になっているため、日本式のバレンタインを楽しみたい方は調べてみることをお勧めします。

例えば『テニスの王子様』では、ファンからキャラクターにチョコレートを贈る習慣があり、連載開始から30年近く経つ現在でも毎年10万個を超える贈り物が届いています。管理や物流の負担もあり、現在では各キャラクターに届いた贈り物の数などは公表されていません。なお、贈られたものは内容を確認したうえで、必要とする支援団体やボランティア、施設に寄贈すると発表されています。

公式の案内をチェックするのは必須

漫画やアニメ、ゲーム会社などの一部はチョコレートを受け取ってくれますが、一方で、アイドル事務所や俳優・タレントが所属する事務所は、飲食物の受け取り禁止が大半。大量のチョコレートを確認し、場合によっては処分する手間と費用が掛かることから、手紙のみ受付となっています。

例えば、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ)では、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに「チョコを送るのではなく義援金や募金に」と呼びかけるようになりました。応援の気持ちや愛情を福祉につなげる取り組みは、多くのファンから好意的に受け止められています。

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最終更新日