「ターボババア/ダッシュババア」とは?日本の都市伝説を紹介

Sasaki
From Yokohama

ターボババアは「ものすごい速さで走るおばあさんが現れる」といった類の日本の都市伝説・近代妖怪。
「ターボババア」と言う名前以外にも、「ダッシュババア」「100キロババア」「ジェットババア」と呼ばれることも。呼ばれ方は地域や世代によって変わる。
ターボババアの都市伝説
『高速道路のトンネルを走っていると、何かが横を並走している。ふと見てみると白髪のおばあさんが髪を振り乱して走っており、こちらを向いてにやりと笑ってから、猛スピードで自分の車を抜かして行った ──』、私が耳にしたことのある話はこんな感じだ。
年齢は80代くらい、その速度は80~100キロである事が多い。もちろん普通の老人……もとい、普通の人間であればこんな速度で走ることは不可能である。
ターボババアに「負ける」とどうなる?
高速で車と並走するターボババアだが、彼女に抜かされてしまった場合、抜かされた側がどうなるかは諸説ある。代表的なものを挙げると下記の通り。
- 抜かされた瞬間に交通事故を起こす
(驚いた拍子に事故を起こしてしまう説もある) - 呪われる、不幸になる
- 何もない
こういったリスクがあることから「無害な存在」とは言い難いが、悪意があって走っているかは不明である。
一般のドライバーに安全運転を意識させるという点では、完全なる悪とも言えないだろう。
ターボババアの昔と今
ターボババアは1990年代頃に流行った日本の都市伝説で、小説「学校の怪談シリーズ」漫画「地獄先生ぬ~べ~」を始めとした作品で広く扱われ、近代妖怪の中ではトップクラスの知名度を誇っている。
90~00年代生まれで、ターボババア(別名を含む)を聞いたことのない人間はいないのではと思う。
「八尺様」などのネット発祥の近代妖怪に押されて、若い世代からの認知は息を潜めたように思われた。しかし、『ダンダダン』という人気作品で題材として取り上げられ、息を吹き返したようだ。
『ダンダダン』の漫画は以前から日本国内で人気があったが、アニメをきっかけに海外での人気が爆発し、「ターボババア」という存在も広く知られるようになった。
ターボババアの出現場所
ターボババアの主な出現場所は、先ほども申し上げたとおり「高速道路」や「トンネル」である。具体的な日本の地名としては、兵庫県の六甲山が挙がることが多い。
日本の各所にある「心霊スポット」として有名なトンネルにも、いくつか類似した話があるようだ。
皆、地元にあるトンネルを題材にして仲間に語っていたのではないだろうか。普段何気なく使っていたトンネルにそんな怪異が……、ともなると語り口に耳を傾ける引きとしては十分である。
ターボババアに類似した都市伝説
人面犬
文字通り「人間の顔をした犬」が自動車と併走しており、見てしまうと不幸になる──といった類の都市伝説がある。ただしこれは数ある人面犬の話の中の一つ。
人面犬の話は「走っていた」というのに留まらず、ごみ箱を漁っていた、顔を見て驚いていたら悪態をつかれたなど、様々なパターンがある。
四つん這い婆
こちらは高速で動くことは変わらないが、四つん這いで移動していることが特徴。
ものすごい速さで走るだけの「ターボババア」はシュールで少し面白さがあるが、四つん這いで高速移動するのを想像してみると一転して恐ろしく感じてしまうのが不思議である。
紫ババア
同じ「高齢のご婦人」という括りで挙げてみた。
主に小学校で流行した都市伝説で、まだ日の上りきらない午前4時44分に、学校にあるトイレの鏡を見ると、紫色のおばあさんが出てきて攫われてしまう ── というのが主な話。
ちなみに、「4」という数字は日本語の発音で「Shi」と読み「死」と同じ音であることから、不吉な数字であるという迷信がある。
最近は学校のセキュリティが強化されたり、親の防犯意識が高まったことで、この時間に子供が学校へ出入りできることはほぼ無いだろう。