日本発祥の「ホワイトデー」とは?お返しに込められた意味も解説

Sana Yoshida

海外では愛の日として一般的な「バレンタインデー」、日本ではそれに対する「ホワイトデー」の存在も一般的です。西洋の方にとっては馴染みのない不思議な文化ですが、その成り立ちや日本での扱いはどのようなものなのでしょうか?
今回はそんな「ホワイトデー」について解説!また、日本独特の進化を遂げた「バレンタインデー」については以下の記事で紹介しています。
日本の「ホワイトデー」とは?
2月14日はキリスト教圏の祝日「バレンタインデー」として世界的に有名ですが、日本においては「女性が男性にチョコレートを贈る日」となっています。そこから派生し、3月14日が「男性から女性へ返礼品を贈る日」になり、日本独自の「ホワイトデー」という風習が生まれました。
現在では中国や台湾、韓国など東アジアの一部にもホワイトデーが定着しています。
何故「ホワイト」なのか
バレンタインデーと対になる存在の「ホワイトデー」ですが、なぜ「ホワイト」なのかは諸説あります。
- ホワイトデーが定着する前は「マシュマロデー」という名前で広まりだしたから
- 日本において純愛、純潔、無垢のイメージがあるから
- お菓子の原料である「砂糖」の色のイメージから
いずれかが正しい説というよりは、いずれも関連性があると言えるでしょう。
福岡にある老舗のお菓子屋さんがマシュマロ販促のために「マシュマロデー」を発足、後を追って他のお菓子メーカーも「ホワイトデー」を打ち出すようになりました。
日本で「ホワイトデー」が定着した背景

Image of Uchi-iwai / Photo AC
日本には「物を貰ったらお返しをする」という文化が定着しています。
例えば、結婚や出産、お店の開業や家の新築など、おめでたいこと・喜びをおすそ分けするという意味でいただいたお祝いにお返しする「内祝い」、葬儀で香典を受け取った感謝として贈る「香典返し」といった文化があります。
そのため、女性から受け取ったバレンタインデーの贈り物に対し、気を利かせた男性が返礼品を贈るようになりました。そこにお菓子メーカーが便乗して「ホワイトデー」という名前が登場すると、日本国内へ瞬く間に広まっていったのです。
「ホワイトデーは(もらった金額の)3倍返し」などという説を唱える人もいますが、高価すぎるお返し(特に相手の子のみではないもの)は却って困らせることになる可能性が高いでしょう。昨今では、基本的には「貰ったものと同じくらいか少しだけ上の金額や価値の物」をお返しするのが一般的です。
ホワイトデーに渡す主な返礼品
バレンタインの定番がチョコレートなのに対し、ホワイトデーに決まった贈り物はありません。基本的にはスイーツや入浴剤などの"消え物”を贈る人が多く、パートナーにはネックレスやピアスなどのアクセサリーを贈る場合もあります。
バレンタインのように大規模な催事が行われることは少なく、百貨店やデパートの食品フロア、雑貨を扱う店舗などに「ホワイトデーコーナー」が作られたり、期間限定でポップアップが開催されたりします。
また、お返しには意味が設定されている場合も。こじつけられた俗説がほとんどですが、なかなか興味深いので、定番のお返しとそれぞれに込められた意味を紹介します。
マカロン

Macaron / Photo AC
作るのが難しく手間がかかること、スイーツの中でも比較的単価が高いことから「あなたは特別」という意味があり、パートナーへの贈り物にぴったりです。
パッケージもマカロン自体も美しく華やかなものが多いため、大切な人に贈るのにふさわしいスイーツと言えます。
キャンディ

Konpeito / Photo AC
溶けるのに時間がかかることから、「付き合いを長続きさせたい」という意味が込められています。洋風のハードキャンディはもちろん、カラフルで可愛らしい金平糖も人気。
金平糖は時間をかけて結晶を大きくする製法から、通常のキャンディ以上に深い愛情を示すとされています。
※ 金平糖 = 砂糖でできた小さくてカラフルな可愛らしいお菓子。ポルトガル語の砂糖菓子(confeito)という言葉が元になっています。
バウムクーヘン

Baumkuchen / Photo AC
生地を何層にも重ねて木の年輪のような形を作ることから、「幸せを重ねたい」「長く続く幸せ」という意味を持っています。結婚式の引き出物になることも多く、おめでたいイメージのあるスイーツといえるでしょう。
ちなみにドイツ発祥のお菓子で、日本ではかなり有名な焼き菓子ですが、本国では知名度が低く存在を知らないドイツ人も多いそう。
マドレーヌ

Madeleine / Photo AC
日本において、貝は「縁結び」や「円満な関係」を表す縁起物とされています。そのため、マドレーヌには「もっと仲良くなりたい」という意味があり、パートナーはもちろん仕事仲間や友人へのお返しにも適しています。なお、焼き菓子セットとして一緒に箱詰めされることが多いフィナンシェには特別な意味は設定されていません。
クッキー

サクッとして軽やかな食感から友人関係がイメージされ、「仲の良い友達」という意味があると言われています。缶に入った高級感のあるものから個包装のものまで様々なるため、もらった金額や相手との関係性に合わせて選ぶといいでしょう。
紅茶・コーヒー

Cup of Tea and Pot / Photo AC
高品質なコーヒーや紅茶など、職場で使えるものも喜ばれます。カフェインを気にする人には、ノンカフェインやデカフェを贈ります。
入浴剤、ハンドクリーム

Bath Salt / Photo AC
こちらもお手頃価格でデザイン性に優れた商品が多くあります。一方、肌に触れるものなので、体質によっては合わないものも。贈るのは好みやアレルギーの有無がわかる相手にしたほうが無難です。
マシュマロ

Marshmallows / Photo AC
お菓子メーカーが「もらったチョコレートを優しさ(マシュマロ)で包んでお返しする」というコンセプトのもと、自社製品であるマシュマロをPRしたことで、ホワイトデーという文化が生まれたと言われています。
しかし、「包んでお返し」という言葉のイメージが独り歩きし、「脈なし」「好意はない」といったネガティブな意味で定着してしまいました。気にする人もいるため、本命にマシュマロを贈る際はカードやメッセージでフォローするのがおすすめです。
グミ

Gummy Candies / Photo AC
日本では柔らかい「グミ」は「キャンディー」とは別物のお菓子として認識されています。
カジュアルで特別感のないお菓子だからなのか、関係性を深める意思がない、「嫌い」といった感情を込めて贈るものとされています。相手がよほどグミ好きでない限り、ホワイトデーでは避けたほうが無難と言えますね。
チョコレート

Chocolates / Photo AC
バレンタインの定番であり、基本的にはホワイトデーに贈っても問題ありません。しかし、もらったのと同じ商品を贈ると「現状維持を望む」、ホワイトチョコレートには「友だちでいたい」という意味であるという俗説があります。
義理や友人相手であれば問題ないものの、贈られたものとは違うお菓子や商品を選ぶのがいいでしょう。
ハンカチ

Handkerchiefs / Photo AC
涙を拭くものであることから別れを連想させ、大切な人や目上の人に贈るのは避けたほうがいいとされています。また、義理の場合は消え物がいいという人もいるため、相手の好みをリサーチしたうえで贈るようにするべき品です。
アクセサリー

Accessories / Photo AC
金額が大きくなることが多く、相手の好みに合わないと気を遣わせたり、ガッカリさせたりしてしまいます。事前にリサーチし、好きなデザインやブランドを把握したうえで選びたいですよね。
コスメ

Cosmetics / Photo AC
こちらも相手の好きなコスメブランドや普段のメイク、欲しがっているものをしっかり把握できている場合には喜ばれることが多いプレゼントです。香水やハンドクリームなども、肌に合わなくて使えない可能性があるため、リサーチに力を入れましょう。
体験型ギフト
価格によって、エステやアフタヌーンティー、温泉、ものづくりなど様々な体験を選ぶことができます。ペアギフトもあり、パートナーと一緒に非日常な体験や特別な食事を楽しめるのも魅力です。
花束・フラワーギフト
持ち運ぶ場合はプチブーケやプリザーブドフラワー、配送であれば大きい花束や鉢植えなど、シーンに合わせて選びましょう。飾るのに必要な花瓶やスペースがあるかどうかも確認しておくとスマートです。相手の好きな色や花言葉を調べてデザインするのも楽しいですよ。
カスタマイズができるギフトも人気
名入れやメッセージの刻印など、世界に一つのアイテムを作ることができるサービスもあります。特別感があり、気持ちが伝わりやすいプレゼントといえるでしょう。
ホワイデー以外のバレンタイン派生イベント
日本ではバレンタインから派生した記念日がまだまだあります。
バレンタインデーやホワイトデーほど定着しておらず、日本国内での知名度がほとんどない記念日もありますが、調べたのでまとめてみました。
オレンジデー
愛媛県の柑橘類生産農家が発案したと言われている、4月14日のイベントです。オレンジの花言葉に「花嫁の喜び」というものがあること、ヨーロッパではオレンジが愛と豊穣のシンボルとされることから、夫婦や恋人同士でオレンジ色のプレゼントを贈りあう日となっています。もちろんオレンジそのものを贈るのもOKで、JA(農業協同組合)主催のPRイベントでは柑橘類の配布が行われたり、飲料メーカーが柑橘類を使用したジュースの配布をしたりと、定着に向けた活動をしています。
メンズバレンタインデー
下着業界が1991年に制定した記念日です。9月14日に男性から女性へ下着を贈る日とされています。しかし、男性が女性下着を購入することへの心理的ハードルの高さ、親しい間柄であっても好みやサイズを把握しているケースは少ないことから、知名度はほとんどなく、祝う日ともほぼいないイベントとなっています。
サマーバレンタイン
アジア圏では、7月7日「七夕」が愛の日として知られています。そこから派生し、お菓子メーカーの販促イベントとしてサマーバレンタインが設定されました。夏のイベントということもあり、涼しげなゼリーやキャンディ、七夕や星モチーフの和菓子などが人気です。
「七夕」とは?
元々は中国の行事で、機織りや裁縫の上達を祈っていました。また、中国から伝わった七夕伝説もルーツになっています。
“天の川のほとりに住んでいた機織りの名手・織姫と働き者の牛飼い・彦星は天帝のすすめで結婚します。しかし、それまで真面目に働いていた二人が遊んで暮らすようになったため、怒った天帝は天の川を隔てて二人を離れ離れにしました。今度は悲しみに暮れて働かなくなった二人に、天帝は「真面目に働いたら、年に一度、七夕の夜に再会させる」と約束します。それ以来、七夕になると天帝の命を受けたカササギが、織姫と彦星(こと座の「ベガ」とわし座の「アルタイル」)二人の再会を手伝うようになりました。
七夕はこの再会を祝うお祭り。お話に出てきた『天の川』とは、欧米では『ミルキーウェイ』と呼ばれているものです。
ハッピーサマーバレンタインデー
8月14日は許斐剛先生の漫画『テニスの王子様』シリーズにおいて「ハッピーサマーバレンタインデー」が開催されます。これは毎年バレンタインにキャラクターへ届くチョコレートやプレゼントに対するお返しとして制定されたイベント。許斐先生が作詞・作曲した楽曲「ハッピーサマーバレンタインデー」を様々なキャラクターがリリースしています。
メイストームデー
バレンタインデーから88日後の5月13日は、立春から88日目ごろに霜が降りなくなるという意味の「八十八夜の別れ霜」という言葉にちなんで「別れ話を切り出すのに最適な日」とされています。
「メイストーム」は和製英語で、4月後半から5月にかけて日本海・北日本付近で発生する低気圧のことです。低気圧が急激に発達することで広範囲で強い風や高波、大雨などの被害をもたらすことから、別名「春の嵐」とも呼ばれます。
セプテンバー・バレンタイン
9月14日は、女性から男性に別れを切り出してもいい日である「セプテンバー・バレンタイン」とされています。女性が紫色のものを身に着け、白いマニキュアを塗り、緑色のインクで書いた別れの手紙を男性に手渡すのがルールとされていますが、知名度はほとんどありません。また、日本のシンガーソングライター・佐々木幸男が1978年に発表した人気曲のタイトルでもあります。


