

岩手県
Iwate
岩手県の位置
岩手県は本州北東部・東北地方に位置し、東は太平洋(三陸海岸)に面します。北は青森、西は秋田、南は宮城に接し、内陸に県庁所在地の盛岡市があります。県土は広く、北上高地と奥羽山脈が南北に走るのが地形の特色。東京から新幹線で約2~2.5時間です。
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岩手県の特産品
本州最大の面積を誇る岩手県は、広大な土地と変化に富んだ地形を活かした多彩な産業が特徴です。内陸部に広がる肥沃な平野と冷涼な気候は、良質な米の栽培や大規模な畜産・酪農に適しており、全国でも有数の農業県として知られています。一方、三陸海岸のリアス式海岸沿いでは、複雑な地形が生み出す豊かな漁場を活かし、海藻類や貝類、回遊魚など多種多様な水産物が水揚げされます。養殖業も盛んで、波穏やかな入り江を利用した生産は国内でもトップクラスの規模。また、古くから受け継がれてきた鋳物や漆器などの伝統工芸も、この地の風土と職人文化が育んだ貴重な産業のひとつでしょう。豊かな自然環境と長い歴史に裏打ちされた岩手の産業は、食から工芸まで幅広い魅力を持っています。
食べ物

前沢牛
岩手県奥州市前沢地区で肥育されるブランド牛で、きめ細かい霜降りと口の中でとろけるような柔らかさが特徴です。厳しい品質基準をクリアした牛肉のみが「前沢牛」を名乗ることができ、ステーキやすき焼きでその上品な旨みを堂能できます。全国の肉牛品評会でも数々の受賞歴を誇る、岩手を代表する逸品です。

盛岡冷麺
朝鮮半島の冷麺をルーツに、盛岡で独自の進化を遂げたご当地麺です。半透明で強いコシのある麺を、牛骨ベースの澄んだスープでいただくのが特徴で、キムチの辛さとスイカやキュウリの爽やかさが絶妙なハーモニーを生み出します。盛岡三大麺のひとつとして、市内には数多くの専門店が軒を連ねています。

わんこそば
花巻・盛岡地方に伝わる、おもてなしの心から生まれた体験型のそば料理です。小さなお椀に一口サイズのそばが次々と注がれ、蓋を閉じるまで終わらないというユニークなスタイルで、薬味を変えながら何杯でも楽しめます。おおよそ15杯でかけそば一杯分とされ、100杯超えに挑戦する観光客も少なくありません。

盛岡じゃじゃ麺
中国の炸醤麺をルーツに持つ、盛岡三大麺のひとつです。もちもちとした平打ちのうどんに特製の肉味噌をたっぷりとからめ、きゅうりやネギとともにいただきます。食べ終わった皿に卵を割り入れ、ゆで汁と肉味噌を加えて作る「ちいたんたん」スープで締めるのが通の楽しみ方です。

三陸の牡蠣
三陸のリアス式海岸で育てられる牡蠣は、山の腐葉土に含まれるミネラルが川を通じて海に運ばれることで、濃厚な旨みを蓄えます。大粒でクリーミーな味わいが特徴で、冬場の真牡蠣はもちろん、夏に旬を迎える岩牡蠣も格別です。生食のほか、蒸し牡蠣や牡蠣鍋など、さまざまな調理法でその贅沢な味わいを堂能できます。

南部せんべい
小麦粉を薄く延ばしてゴマやピーナッツを加え、丸い型で焼き上げる素朴な煤餅で、南部藩の時代から受け継がれてきました。そのまま食べるほか、鶏肉や野菜と一緒に煮込む「せんべい汁」は八戸地方を代表する郷土料理として広く親しまれています。近年はチョコレートやクリームを挟んだ現代風のアレンジも人気を集めています。
工芸品・その他

南部鉄器
約400年の歴史を持つ岩手県の代表的な伝統工芸品で、経済産業省の伝統的工芸品にも指定されています。砂鉄や岩鉄を用いた鋳造技術により生み出される鉄瓶は、湯をまろやかにし、日常的に鉄分を補給できることから健康面でも注目されています。近年はカラフルな急須やモダンなデザインの製品が海外でも高い評価を受け、世界中にファンが広がっています。

秀衡塗
平安時代末期、奥州藤原氏の栄華とともに花開いた平泉発祥の漆器で、約800年の歴史を誇ります。漆黒の地に金箔で描かれた菱形の「有職模様」と草花文様が特徴で、その優美な佇まいは藤原文化の気品を今に伝えています。椀や杯をはじめとする日用品から装飾品まで、職人の手仕事による温かみのある逸品が揃います。
岩手県へのアクセス
東京から訪れる場合は東北新幹線で東京→盛岡・一ノ関へ。最速で盛岡まで約2~2.5時間、二戸・花巻など各駅へも直結。費用を抑えるなら夜行・昼行の高速バスも選択肢。車は東北道を北上します。
さらに国内の遠方から訪れる場合は飛行機+陸路が効率的。いわて花巻空港に札幌・大阪・福岡などから便があり、空港から盛岡駅へ連絡バスで約45分。便が少ない場合は仙台空港を利用し、仙台→盛岡を東北新幹線(約40~50分)で移動。
海外から直接岩手を目指す場合も成田・羽田に到着後、東京駅へ移動して東北新幹線で岩手各地へ行くのが一般的。地方乗継なら仙台空港経由も便利です。荷物が多い場合は駅の宅配サービスやコインロッカー活用を。
岩手県の歴史
岩手県は、古代に蝦夷(えみし)の地として知られ、平安後期には藤原清衡・基衡・秀衡の奥州藤原氏が平泉に都を築き、金色堂で名高い中尊寺や毛越寺が栄えました。
源義経を庇護した秀衡の死後、頼朝方により滅亡。中世以降は南部氏が盛岡を中心に支配し、南部鉄器などの産業が育ちます。近代には釜石で大島高任が洋式高炉を操業し、日本近代製鉄の礎を築きました。
文化面では宮沢賢治(花巻)や石川啄木(盛岡)が近代文学に大きな足跡を残しています。
三陸沿岸は2011年東日本大震災で甚大な被害を受けましたが、復興と世界遺産・平泉の魅力発信を進めています。
岩手県について
岩手県は、世界遺産の古刾から神秘的な鐘乳洞、三陸の絶景まで、自然と歴史が織りなす見どころに恵まれた東北有数の観光地です。本州最大の面積を誇る広大な県土には、奥州藤原氏の栄華を今に伝える平泉をはじめ、訪れる人の心を揺さぶるスポットが数多く点在しています。四季折々の表情を見せる岩手の旅は、どの季節に訪れても新たな発見があるでしょう。
平泉(中尊寺・毛越寺)
2011年にユネスコ世界文化遺産に登録された平泉は、岩手観光で外すことのできない場所です。12世紀、奥州藤原氏が約100年にわたって築き上げた仏教都市であり、その理念は「仏国土(浄土)」の実現にありました。中尊寺金色堂は、堂全体を金箔で覆った国宝建造物で、螺鈿細工や蒔絵など平安時代の工芸技術の粋が凝縮されています。一方、毛越寺の浄土庭園は平安期の様式をほぼ完全な形で今に伝え、池を中心とした優美な景観が広がります。新緑の季節はもちろん、秋の紅葉に彩られた境内もまた格別の美しさ。
浄土ヶ浜
宮古市に位置する浄土ヶ浜は、三陸復興国立公園を代表する景勝地として知られています。白い流紋岩の岩肌と、その間に広がるエメラルドグリーンの海のコントラストは、まさに「極楽浄土のような美しさ」と称されるほど。江戸時代に霊鏡和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことが名前の由来とされています。夏にはサッパ船と呼ばれる小型船で「青の洞窟」を巡る遊覧が人気で、洞窟内で光が反射して生まれる幻想的な青の世界を体験できます。穏やかな入り江のため海水浴場としても親しまれており、家族連れにもおすすめのスポットです。
龍泉洞
日本三大鐘乳洞のひとつに数えられる龍泉洞は、岩泉町の山中に広がる神秘の地下世界です。洞内には複数の地底湖があり、なかでも第3地底湖は水深98メートル、透明度は世界有数の41.5メートルを誇ります。照明に照らされた湖面は深い「ドラゴンブルー」に輝き、その美しさは息をのむほど。現在公開されている部分は全体の一部にすぎず、総延長は5,000メートル以上とも推定されています。洞内の気温は年間を通じて約10度前後に保たれているため、夏の避暑にも冬の探検にも適した通年楽しめるスポットといえるでしょう。
花巻温泉郷
岩手県中部の花巻市には、豊沢川沿いを中心に12の温泉地が点在する花巻温泉郷が広がっています。この地は宮沢賢治が生まれ育った場所でもあり、賢治が愛した自然の風景が温泉地のそこかしこに残っているのも大きな魅力のひとつ。なかでも大沢温泉や鉛温泉は、茅葳き屋根の湯治棟や立って入る深い浴槽など、昔ながらの湯治文化を色濃く残しています。雪見露天風呂を楽しめる冬も風情がありますが、新緑が渓流に映える初夏もまた格別。旅の疲れを癒しながら、賢治の作品世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


