

奈良県
Nara
奈良県の位置
奈良県は、2府5県からなる近畿地方の一つであり、三重県を除いた2府4県で構成される関西地方にも属しています。県庁所在地は奈良市です。
県の中南部には紀伊山地が広がっており、この地形の影響から、実際に人が居住できる可住地面積は全国47都道府県の中で最も狭いといわれています。そのため、奈良県の人口の約9割以上が県北西部に集中しています。一方で、紀伊山地を有する奈良県は自然環境に恵まれた地域でもあり、県南部では、山や川を活かした自然体験型のレジャースポットも多々あります。
そんな奈良県は、東に三重県、西に大阪府、北に京都府、南に和歌山県と隣接しており、全国47都道府県のうち海に面していない内陸8県の一つです。気候は、年間の平均気温が全国平均とほぼ同じで、降水量は比較的少なく、全体として過ごしやすいのが特徴です。
ただし、五條市や宇陀市、吉野町などでは、冬季に降雪や積雪が見られ、年に数回、交通へ影響が出ることもあります。
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奈良県の特産品
奈良県は海に面していない内陸県ですが、山や川に恵まれた自然豊かな地域が広がっています。加えて、年間を通して気候が比較的安定しているため、米や果物、野菜などの農作物が育ちやすい環境にあります。
そして、内陸県という立地から、海産物のイメージはあまり強くありませんが、その一方で、生魚を塩漬けにして保存する「柿の葉寿司」といった、土地の特性を活かした郷土料理も生まれました。
また、工芸品に目を向けると、奈良筆・奈良墨・一刀彫など、長い歴史の中で育まれてきた伝統的工芸品が数多く存在し、現在も全国にその名が知られています。
食べ物

柿の葉寿司
柿の葉寿司は、サバや鮭などの魚をネタに、酢飯とともに柿の葉で包んだ押し寿司。海に面していない奈良県ならではの保存食として生まれた郷土料理として知られています。古くから夏祭りのごちそうとして親しまれてきましたが、現在では観光客向けに弁当や土産物としても販売され、奈良を代表する名物の一つとなっています。

奈良漬け
奈良漬けは、きゅうりをはじめとするウリ類や生姜などの野菜を塩漬けにした後、酒粕・みりん・砂糖などに何度も漬け替え、長期間熟成させて作られる伝統的な漬物です。酒粕に漬け込むことで、日本酒由来の芳醇な香りと米の旨み、ほどよい塩味が加わり、独特の風味が生まれます。ご飯のお供としてはもちろん、酒の肴としても相性が良く、奈良を代表する発酵食品の一つとして親しまれています。

いちご
奈良県のいちご栽培は1960年代から始まり、かつては作付面積が全国第3位になるほど、いちごの産地として知られていました。現在では、あすかルビーをはじめ、古都華・珠姫・菜乃華・ならあかりなど、多くの品種が栽培・販売されています。各品種によって甘みや酸味、香りのバランスが異なり、それぞれに個性があるのが特徴で、生食用はもちろん、スイーツなどにも幅広く利用されています。

茶粥
茶粥は、お茶でお米を炊き上げたお粥で、奈良県の代表的な郷土料理として知られています。一般的なお粥とは異なり、粘り気が少なく、さらりとした食感が特徴です。伝統的には、いもや野菜、豆類など、季節の食材を加えて一緒に食べられてきました。使われるお茶は、ほうじ茶や番茶など地域によってさまざまで、それぞれの風味が米に染み込み、素朴ながらも味わい深い一品となっています。
工芸品・その他

筆
奈良筆は、奈良市や大和郡山市周辺で作られる筆で、日本の筆作り発祥の地とされる奈良県で1200年以上の歴史を誇ります。長年培われた技術が評価され、1977年に国の伝統的工芸品に登録されました。原材料にはリスやうさぎなどの獣毛を用い、毛の選別から仕上げまでを職人が丁寧に行います。書き味と耐久性に優れ、書道家をはじめ多くの人に愛用されています。

墨
奈良墨は奈良県奈良市で生産される墨で、菜種油や桐油を燃やして作る油煙墨の技法が用いられています。不純物がほとんど含まれず、ツヤがありながら深みのある黒色が特徴です。1400年以上の歴史を持ち、日本国内で生産される固形墨の約95%を占めるといわれています。

一刀彫
一刀彫は、ひのき・クスノキ・ヒバなどの木材を用い、一刀で彫り上げたかのような大胆で力強い造形と、金箔や岩絵具を使った繊細で華やかな色彩が特徴の奈良の伝統工芸品です。起源は900年以上前の平安時代末期で、春日大社の神事に用いる人形として作られたのが始まりとされています。現在では雛人形や兜、干支飾りなどが多く制作されています。

高山茶筌
高山茶筌は、奈良県生駒市高山町で作られる茶筌で、抹茶を点てる際に欠かせない茶道具です。原材料には良質な竹が使われ、切り出しから仕上げまでを職人が一工程ずつ手作業で行っています。その高度な技法は500年以上にわたって受け継がれてきました。現在では用途や流派に応じた60種類以上の茶筌が作られており、高山町は全国で唯一の茶筌専門産地として知られています。
奈良県へのアクセス
奈良県には空港がないため、海外から訪れる場合は大阪府の関西国際空港を利用するのが一般的です。空港から奈良県へは、リムジンバスや電車でアクセスできます。
リムジンバスはJR奈良駅・近鉄奈良駅まで直通で、所要時間は約1時間半。乗り換えが不要なため、初めて奈良を訪れる方や荷物が多い場合に便利です。電車の場合も、JRや南海電車と近鉄電車を乗り継いで約1時間半で到着します。
奈良市内の観光スポットは電車やバスで巡ることができますが、山間部や自然エリアを訪れる際は、タクシーが必要になる場合があります。
奈良県の歴史
奈良県が最初に成立したのは1868年です。その後、奈良府へと改称されましたが、2年後には再び奈良県となりました。
しかし1876年、奈良県は堺県(現在の大阪府の一部)に編入され、一度消滅します。さらに1881年には堺県も大阪府に編入されました。
その後、現在の大和郡山市を中心とした人々による再設置運動が行われ、1887年に奈良県が再び設置され、現在の形に。
また奈良県は、日本の古代史において重要な役割を担ってきました。飛鳥京や藤原京が都として置かれたのち、710年から784年までの74年間は平城京が日本の首都として機能し、政治や文化の中心地として栄えました。
奈良県について
数々の有名な寺社がある

The Great Buddha in Todaiji Temple / Photo AC
奈良県には、日本全国でも名高い寺社が数多く点在しています。
約15メートルもの大仏で知られる東大寺、世界最古の木造建築群で五重塔が象徴的な法隆寺、全国に約3,000社ある春日神社の総本社で、朱塗りの社殿や約3,000もの灯籠が並ぶ春日大社などが代表的です。
これらの歴史的建造物から、日本の歴史や文化を深く感じられることが、奈良県の大きな魅力といえるでしょう。
3つの世界遺産

Hokiji Temple in Horyuji Temple / Photo AC
奈良県には、3つの世界文化遺産が登録されています。
1つ目は「法隆寺地域の仏教建造物」です。1993年に兵庫県の姫路城とともに、日本で初めて世界文化遺産に登録されました。
2つ目は、1998年に登録された「古都奈良の文化財」です。これは以下の8つの寺社や城跡、自然環境を含む文化財群から構成されています。
- 東大寺
- 春日大社
- 興福寺
- 元興寺
- 唐招提寺
- 薬師寺
- 春日山原始林
- 平城京跡
3つ目は、奈良県・三重県・和歌山県の3県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」で、2004年に世界文化遺産に登録されました。
奈良に生息する国の天然記念物の鹿

A deer in Nara / Photo AC
奈良県の奈良公園周辺には、約1,300頭もの野生の鹿が生息しています。
奈良の鹿は1957年に国の天然記念物に指定され、古くから春日大社の神の使いである「神鹿(しんろく)」として大切に守られてきました。そのため、現在でも人と鹿が共存する独特の風景が見られます。
鹿が道路を横断することも珍しくなく、その際は自動車が鹿を優先するのが奈良ならではのマナーです。
また、奈良公園周辺には鹿せんべいを販売する売店が多く、観光客は鹿にえさをあげる体験も楽しめます。奈良を訪れた際には欠かせない名物のひとつです。
小さな命を守るために

Feeding Deer Senbei / Photo AC
鹿にえさをあげる体験が人気の一方、国内外の観光客による人間の食べ物やポイ捨てされたゴミを食べてしまい、鹿が死んでしまうという事故も相次いでいます。
奈良の鹿は地元の宗教的に神聖な生き物であり、それをひいても大切な命であることに変わりはありません。
えさとしてあげるのは専用の「鹿せんべい」だけにして、旅行中に出たゴミは近くのごみ箱に捨てたり、自身で宿泊先まで持ち帰るように心がけましょう。

