

日本で大衆浴場に入る時のマナー
Manners and Etiquette When Visiting Onsen & Public Bathhouses in Japan
日本で愛される文化の一つに温泉・銭湯があります。温泉は温度や成分が「温泉法」で定められており、血行促進や疲労回復などの効能を持つ施設。銭湯は主に水道水や井戸水を利用した公衆浴場です。
宿泊施設の大浴場には着替えを持って移動

旅館やホテルの場合は、部屋にあるシャワーとは別に大浴場があることが多いです。大浴場と部屋を行き来するため、他人に見られても問題ない衣服を持って移動しましょう。旅館によっては、館内着として浴衣を貸し出していることもあり、浴衣での移動もOKです。
また、脱衣所に鍵付きのロッカーがない場合もあるため、財布などの貴重品は部屋に置いておくのが安心です。
日帰り温泉・銭湯は手ぶらでもOK

日帰りで利用できる温泉施設・銭湯の場合、入口で入浴料を支払います。施設によっては入浴のみ・入浴とサウナ利用で料金が異なるため注意しましょう。タオルセットやせっけん類を販売している施設もあり、準備なくふらっと立ち寄ることも可能です。
荷物は脱いだ洋服と一緒に鍵付きのロッカーに入れる場合が多いです。あまり大きな荷物は入らないサイズが多いため、できるだけ身軽な状態で行くのがおすすめ。もしもの場合はお店の方に預かってもらえないか確認しましょう。
脱衣所と浴場は男女別

Left: 男 (Man/Men), Right: 女 (Woman/Women)
大浴場は通常男女でわかれており、男性は「男」、女性は「女」と漢字で表記されているところが大半。男性は青、女性は赤い暖簾の場合が多いですが、必ずしも色で分けてあるとは限りません。
内装にこだわりがある、様々な泉質や浴槽がある施設の場合、曜日や時間で利用可能な浴場が入れ替わることもあるので注意しましょう。スパなどでは、岩盤浴と休憩スペースは男女共用の場合が多いです。
スマートフォンの使用はNG
また、いずれの施設においても、脱衣所でのスマートフォンや携帯電話使用はNG。撮影を疑われると、他のお客さんや従業員とのトラブルになる可能性があります。
たとえ自分以外に利用者がいないように見えても、脱衣所での使用は控えましょう。
アクセサリーも外すのがおすすめ

ピアスやブレスレット、リング等のアクセサリー、特にシルバーで出来たものは、温泉の成分で変色してしまうことがあるので外すのをおすすめします。お湯につけなくても、近づいて気化した成分に触れるだけで色が変わってしまうので要注意。
変色してしまった場合は化学的な方法で戻すことも可能ですが、手間を考えると帰国してからになるでしょう。
タトゥーは禁止の施設が多数

多くの温泉で、タトゥーが入っている方の入浴はNGです。日本ではかつて刺青が反社会勢力・刑罰を受けた罪人の象徴だったことから、ネガティブなイメージが強く残っています。そのため、周囲の方が不安なく温泉を利用できるよう、刺青・和彫り・タトゥー問わず利用不可になっている場合が多くあります。
近年では、ラッシュガードやシールで隠せばOKの温泉も。また、貸し切りの家族風呂であれば利用可能のところが多いです。もちろん、個室に露天風呂がついているタイプの宿泊施設も問題ありません。
タトゥーの可否については公式HPを確認し、不安がある場合は問い合わせましょう。
内臓や皮膚の疾患がある人は注意

日本には「湯治」という文化があり、温泉につかって病気やけがを癒す人が多くいます。実際、多くの温泉で「効能」や「適応症」が掲示されています。
ただし、温泉に入ることで、かえって悪化する恐れのある症状も。例えば熱があるとき、重い貧血や肝臓・心臓・肺の病気、出血があるときなどは、血行が良くなることで症状が悪化する可能性があります。また、硫黄や酸性で刺激の強い泉質の場合、皮膚が弱い方は肌がただれる場合も。
温泉によっては飲用の蛇口がある場合もありますが、塩分やカリウムなどを多く含むことがあるため、こういった成分を制限している方は注意しましょう。
また、お酒やごはん、スポーツの直後も血管や内臓への負担が大きいため、時間を空けて入浴してくださいね。
湯船に入る前に「かけ湯」で汗や汚れを流す

湯船に入る前には、桶を使って体を洗い流す「かけ湯」をします。これは、皮脂や汗を流し、温泉水を清潔に保つための気配り。また、日本の温泉は40℃以上の高温の場合が多いのに加え、泉質によっては刺激を感じることもあるため、手足から順にかけ湯をすることで体を慣らすことができます。
- 入口近くにある「かけ湯 (Kake-Yu)」と書かれたエリアでお湯をかける
- シャワーや身体を洗うエリアで身体を流す
上記のどちらかで対応すると良いでしょう。身体を流す際には、お湯が周りにはねないように気を付けてあげると親切です。
湯船にタオルや髪の毛をつけるのはNG

アニメや撮影では体にタオルを巻いて入浴していることがありますが、タオルを巻いたまま湯船に入るのは衛生的な理由でNGです。
しかし、他人に身体を見られることに抵抗のある方も多いと思います。身体を拭くためのバスタオルとは別に、濡れても良いタオルを一枚持っていって、それで身体を隠したり洗ったりするのに使うと良いでしょう。
ただし、持ち込んだタオルを湯船につけるのはマナー違反。邪魔にならない所に置いておくか、湯船につけないように持っておきます。さて、日本のアニメに登場するキャラクターたちが頭の上にタオルを置いている理由が分かったのでは?
※貸切風呂や混浴などの場合はタオルOKの場合もあります
大声で話したり泳ぐのはマナー違反
広い浴槽にテンションが上がることもあるでしょうが、大声で話したり、浴槽内で泳いだりするのは良い振る舞いではありません。子どもなら大目に見てもらえるでしょうが、大人がやっていたら周囲から白い目で見られてしまうかもしれません。
また、お湯に髪の毛をつける、お湯につかった状態で体をこすって垢を落とすなども、不衛生なためNGです。髪の長い方は、まとめるためのヘアゴム、シュシュなどを持っていきましょう。
休憩を挟んで入浴を楽しむのが効果的
湯船につかったら、じっくりと体を温めます。施設によってはジェットバスがあったり、温度や効能の違うお湯があったりと、様々な種類を楽しむことができます。ほかの利用者もいるため、譲り合って利用しましょう。
温泉では、長い時間入るよりも休憩をはさんで何度かお湯につかる「分割湯」が効果的かつ体への負担が少ないと言われています。5分入浴したら休憩し、また5分……という風に、水分補給を挟みながら体を温めましょう。お湯につかった後に水風呂に入る「交代浴」も、血行促進に効果的です。
身体を洗う時は周りへの気配りを

基本的に、身体や髪を洗うタイミングは自由です。湯船につかる前に洗ってもいいですが、刺激の強い泉質の場合、入浴前にごしごしと身体をこすってしまうと肌がひりつく場合があります。優しく洗うことを心がけましょう。
身体を洗うブースは、譲り合って利用する必要があります。シャワーを使う際は、周りの人に水がかからないよう、水の勢いや角度に気をつけてください。また、洗い場を使った後は、髪の毛や泡をきちんと流し、椅子や桶を元の場所に戻します。次の人が快適に使えるよう、思いやりが大切です。
温泉から上がるときのシャワーは不要

温泉につかった後にシャワーを浴びてしまうと、温泉の成分が流れてしまいます。刺激の強い泉質以外は上がり湯をせずに温泉を出ましょう。また、出入り口では体を拭き、脱衣所が水浸しにならないようにします。
洗面所に化粧水やコットンなどがおいてある場合は使用してOK。ドライヤーを使用した際は、使い終わったら抜け毛などを軽く掃除しましょう。水分補給やスキンケアも忘れずに!
お風呂上がりの牛乳も日本文化の一つ

アニメなどでは、湯上りにガラス入りの牛乳(コーヒー牛乳、フルーツ牛乳など)を飲んでいるキャラクターが描かれることが多くあります。日本においては、腰に手を当てて瓶入りの牛乳を飲むのはお風呂上がりの象徴的なポーズ。
日本人であっても若い世代には伝わらないこともありますが、大人世代がその光景を見かけたら思わずニヤッとしてしまうかもしれません。
また、お風呂に入ったことで失われた水分とミネラルを補給し、リフレッシュするのに適しています。瓶入りの飲料を売っている自販機は減りましたが、銭湯などでは今も根強く残っています。見かけた際は、日本文化の一つとして体験してみてはどうでしょうか。